グレープフルーツサワー

俺とデートしよ ページ12

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キッチンの上の扉に向かって、
ぐーっと手を伸ばす。
身長が低いっていいこと、ほんとにないよなあ、
なんて思っていたところに、
背中に温もりを感じて、手が伸びてきた。




て「ん、これ？」


『あ、ありがと』


て「いーえ」


『てつやってさ、実は身長めっちゃ大きいなって、たまにびっくりする』


て「ふ、そうよ？」




そう言って頭に手を置かれて、
ぐいっと押されて、上を向けば、
得意のにいって顔で笑ってて。




『もう、なんなん(笑)』


て「ねえ、今度の土曜日空いてない？」


『土曜日？確か、何もなかったと思うけど』


て「じゃあ、俺とデートしよ」


『え、は、え、』


て「また連絡する〜〜」




そう言ってその場から立ち去る背中を見つめて。
そのまま、ぼーっとしてれば、
頭の上に先ほどと同じような重み。




『っ、うわ！』


り「デートすんの？」


『…りょうくん』




上を見上げれば、にやにやしたりょうくんがいて、
思わず苦笑いで、答える。




『ねえ、今日このあと空いてる？ごはんいかない？』


り「ん？いいよ？」


『ん、お店行きたいところあったら、決めといてー』


り「なにー？恋愛相談？(笑)」


『まあ、そんなところ、にしといて』




付き合いが1番長いりょうくんは、
それなりに私のことを知っているし、
私の過去の恋愛たちもある程度知ってる。


それにわたしは、このもやもやを、
人に話さずにはいられなかった。









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