三角形。【Ryosuke × Kei】

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慧『Aちゃん来るの早くね？』







『伊野尾くんが遅いんだよっ、』







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慧『俺歩くのゆっくりなのかな〜』







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２、３日前じゃ考えられないくらい、

伊野尾くんと話してる。







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こういう人だったんだ、と初めて知って。







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寒さで赤くなった鼻を触り、







”今日物理あんのかよ〜”と独り言。







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ふと、一番後ろの窓側の席を見てしまう。







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………まだ、来てないんだ。







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昨日の放課後を思い出し、腰がじんわりと痛む。







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きっと、今日は別の子なんだろうな。







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近いようで遠い涼介との距離に、一喜一憂する毎日。







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気がつけば、涼介のことばかり考えてしまう。







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まだお父さんに、あんなこと＿＿＿







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慧『………山田？』







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『へっ？なに？』







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伊野尾くんから涼介の名前が出てきてビックリする。







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慧『最近ずっと目で追ってるから…。』







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少しだけ、真剣な顔になった。







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『えっ、………』







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慧『あ、ううん！なんでもない』







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一瞬、伊野尾くんが寂しそうな顔をした

理由がわかるのは、まだまだ先のこと。







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奈菜『………』







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