三角形。【Ryosuke × Kei】

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涼介『……いってぇよ』







『あ……ごめん、……』







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消毒液に顔を歪ませる涼介。







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大きい絆創膏を貼り、前髪を元に戻す。







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『よしっ……できた、』







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見た目に比べ、浅かった額の傷口。







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だけど、イスに残っている赤い跡に胸が苦しくなる。







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涼介『…………ごめん』







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ポツリと言葉をこぼす。







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『……涼介が謝ることじゃないよ』







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涼介『でも……俺が我慢すれば……っ』







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静かに涙を流しながら、拳を床に押し付ける。







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『っ……自分を、責めないで』







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こんな涼介、初めて見た。







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ずっと１人で悩んで、

ずっと１人で抱え込んで。







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『……』







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涼介『うわっ、………』







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ぎゅ、と抱きしめてしまった時、

少しだけ後悔を感じたけれど。







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確かに伝わる涼介の体温に、拒まない涼介に。







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『…………涼介、』







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涼介『A…？』







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消えかかっていた気持ちが、

再び静かに、膨れ上がってきた。







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