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呼び出し。 ページ4
看護師長「小宮さん、部長からお呼び出しよ。」
３０分後に予定していた沐浴指導の準備をしていたら、４０を過ぎた独身の看護師長が嬉しそうな顔で私に言った。
A「えっ!?私悪い事してないですよ？ね!?」
周りにいた同僚からも“あらら…可哀想に”という憐みの声が聞こえた。
“はぁ〜…”と長めのため息を吐きながら、私、何かしたっけ？と最近の自分の行動を思い返した。
でも全然思い付かなくて、気が付いたら部長室の前まで来ていた。
コンコンコン…
大きく深呼吸をひとつしてから叩いた扉の向こうから“はぁい、どうぞ。”というちょっとねっとりとした低い声が聞こえた。
A「失礼します。」
重い扉を開けると黒革張りのソファに腰掛ける部長
とスーツを着た若い男の人。
A「お話し中に申し訳ありませんでした。」
部屋から出ようとする私に“良いから入りなさい。”と部長に手招きされた。
部長「まぁ、掛けなさい。」
そう促されたのは、スーツの人の隣の席。
部屋の中はコーヒーの香りと部長の加齢臭の匂いが交っていて…そして何より、この妙な緊張感が嫌で嫌で早く逃げ出したかった。
A「失礼します。」
一言断ってから腰掛けたそのソファは、想像よりもふかふかしていてちょっとだけビックリした。
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作者名：晴日。 | 作成日時：2012年7月14日 21時
