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百二十話 ページ38

ガンッ

ビュッ

がキン

妓夫太郎の鎌と私の刀が交わる。

後ろから炭治郎君が援護、宇髄さんが攻撃をかわしながら【譜面】による助言をしてくれる。

ちなみに【譜面】とは

宇髄さん独自の戦闘計算式である。分析には時間がかかるが、敵の攻撃動作の律動を読み音に変換する。癖や死角などもわかるらしい。

凄いよね。

妓夫太郎に才能があると言われて怒ってたけど…
天才だよこの人。

幼少の頃から厳しい訓練を受けていたのだとしても、それに耐え、強くなった。

努力家だ。


恐らく宇髄さんは柱を隠居するだろう。伊黒さん辺りは反発しそうだけど(笑)

流石に片腕だと全力出せないし、彼の誇りにも関わるだろう。
まだ何も知らない内に炭治郎君_____将来有望な隊士を処刑しようとした。でも彼のことを知った今、宇髄さんは炭治郎君に未来を託そうと思うだろう。

不思議なことに、そう思わせるんだ、彼は。

柱としての最後の任務、せっかくだからもっと働いてもらいますよ。

宇「(ゾクッ (なんだか寒気が…)」


『宇髄さん!交代です!!』

宇「は!?おま、さっきまでは休めって…」

『気が変わりました。ちゃんとお仕事してもらいます。』

宇「おい、一体…うわっ、ちょ、クッソ。」

妓「んん?今度はソイツとかぁあ?」

今度は宇髄さんが妓夫太郎と撃ち合う。後ろへ回って、頸を目掛けて刀を振った。

が、妓夫太郎は上へ飛んで避けた。

宇「(そう言うことかよっ…!)今だ!!飛べェエ!!」

『炭治郎君!!』

しかし、妓夫太郎からすれば炭治郎君の速度なんて欠伸をする程遅い。

毒鎌が炭治郎君の顎を貫いた。

毒で死ぬかもしれない。

でも彼の目はまだ、死んではいなかった。

それに

『(順応し始めている。)』

奴の動き、毒、この戦いの全てに。

すると炭治郎君の様子が急変した。


何?額の痣が、濃くなってる?

気の所為じゃない。

はっきり見える。


炭「ガアアァアア!!!」


斬れそう!!でも、アイツも踏ん張ってて、斬れそうで斬れない…
嗚呼、もどかしい…!!

今まで受けた傷の痛みが、ズキンと痛み出す。
この土壇場で、実に迷惑だ。

でも他の人よりは軽症の筈。そんな自分に怒りが湧いてくる。

こんな痛み耐えろ。

刀を握れ!!

『ハアッハアッ…アアアアアアァアアア!!!』

堕「お兄ちゃんなんとかして、お兄ちゃん!!」


そして

炭治郎君の刀と私の刀が交差して、

二つの頸が宙を舞った。

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作者名:まかろん | 作成日時:2021年1月7日 6時

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