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百十二話 ページ29

確かに堕姫ちゃんには悪いけど、はっきり言って彼女の方が楽だ。

つまり弱い。

いや、悪いもクソもないか。

だって“上弦じゃないでしょ”って言っちゃったし…


でも、

『いくら弱いからって、それは(私たち)の基準であって、彼らにとっては、まだ…』

宇「嗚呼。だが、これくらいで死んでるようじゃ、俺の継子失格だからな。」

『…そうですね。』

そう、彼らは私たち(・・)の継子。

正式なものではなくても、彼らは大切な弟子たちのようなものだ。

妓「妹はやらせねぇよ。」


ごめんなさい。忘れてた←

少し罪悪感を抱きつつ、仕返しだと思いながら刀を構えると、

突然誰かと会話し始めた。



誰と話してるんだ…?

でも、彼らはどれだけ殺しても足りないくらいに人を恨んで、嫌悪している。

それがひしひしと伝わってきた。


鬼に情はいらない。

いつか誰かが言っていた。

いや、鬼殺隊の殆どがそう思っている。

鬼と仲良く、なんて事を言っていたのは花柱の胡蝶カナエさんくらだったのではないのだろうか。


私は知っているから。

師範みたいに、無理矢理鬼にされて苦しんでいた人がいる事を。

だから、どうしても彼らに情をかけてしまう。

それでいい。

それが私だから。

禰豆子ちゃんみたいに人を襲わない鬼もいる。

だから救える鬼は救う。

でも、いくら人を殺して喰ってもなにも感じないような可哀想な鬼は私が葬ってあげる。



また懲りずに炭治郎君目掛けて動いた妓夫太郎の鎌を弾く。

炭「…!!」

毒が回ってる宇髄さんを守ろうとしてくれたんだよね。

すると宇髄さんが炭治郎君の隊服の襟を掴んで馬げ飛ばした。

…一瞬子猫みたいって思ったの秘密ね。


逆に庇われてどうするんだって思っている顔。

でもね炭治郎君、多分君にはまだ早いと判断した結果じゃないかな。

上弦は。



すると無数の帯が溢れるように天井を破って入ってきた。

なんか堕姫ちゃんちょっと強くなってる…?

お兄ちゃんが起きた影響か…

妓「クククッ、継子ってのは嘘だなあ。妹分ってのもなぁ。お前らの動きは統制がとれてねぇ。全然だめだなぁ。」


帯と同時に例の鎌の攻撃。

流石兄妹。

信頼しあっている証拠か。

『ッ。』

建物が崩壊する!!

瓦礫で周囲が見えない…!




なのに、

なんだろう。





.







あの黒い塊。

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作者名:まかろん | 作成日時:2021年1月7日 6時

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