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薬研は縁側に座り、ゆっくり静かに自身の事を話始めた。
「俺は、まぁ····桔梗も大体気づいてるだろうが、刀剣男士だ。
···いや、正確には『元』刀剣男士、だな」
『元』?
「どういう事?」
「···１ヶ月前、とある本丸の短刀の刀剣男士が政府に逃げ込んだ。
そいつの身体はもう折れかけでぼろぼろでな。
とてもじゃないが····そのまま手入れをしなければ
１日も持たずに折れると、政府に判断された。
···けど、そいつは折れたくなかった。
本丸にはまだ、守るべき兄弟達が残っていたから。
しかし、手入れが出来る審神者は政府にいない状況。
そこで政府はその刀剣男士にある提案をしたんだ」
「っ!?まさか!?」
私はこの時、一つの考えが浮かんだ。
と、同時にその考えじゃないようにと願った。
けど、答えはあんまりに無慈悲だった。
「あぁ、そうさ。付喪神、刀剣男士としての
身体の死を提案したんだよ」
「魂だけを別な身体に、移したんだね」
「あぁ、一応言っておくが、この身体は俺の人としての
クローンの身体だ。
試作品だったから、大人の身体だがな」
「そっ、か。その事、他の刀剣男士は?」
「いち兄以外、多分誰も知らない。
いち兄には他の刀剣男士達にまだ言わないでくれ
とは頼んで置いた」
「まだ、って言う事はいつかは言うの?」
薬研は困った様な、悲しい様な顔をして
「あぁ、そう、だな
明日の···晩飯時にでも言うか」
と無理矢理笑った。
「っごめんね」
辛いのは薬研のはずなのに、何で私が泣いてるの?
「お、おい?」
「本当に、私のバカ姉が、ごめん」
「·····っこっちこそ、ごめんな。
こんなとこ連れてこさせてちまって。
俺、知ってたんだ。
桔梗が姉貴を嫌いなの。
なのに、嫌いな奴の尻拭い···させちまって」
やっ、ぱり。
知ってたんだね。
「薬研、あのね。私、お互いにあのバカ姉に
傷つけられた人同士。
今の様にこうやって····」
私は薬研の少しゴツゴツしている手を握りしめた。
「手を握りしめあって、人生歩いて行ければ···いいよ」
大丈夫、いつかは涙の雨も、晴れるから。
「そうか、そうかぁ」
二人はそのまま泣いていた。
ただ、一人で泣くよりずっと、辛くは無かった。
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ナントリーロード - 蓮さん» 蓮様!コメントありがとうございます!確かに17の一番下行はネタ切rｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ気分で引っ張ってきました! (2019年8月30日 23時) (
レス) id: 69b33ec2b6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - はじめまして。更新楽しみにしています。17の一番下行サザエさん風ですか？ (2019年8月30日 20時) (レス) id: d0c5e58b56 (このIDを非表示/違反報告)
ナントリーロード - こだぬき様!コメントありがとうございます!これからも更新、頑張らせて頂きます! (2019年8月22日 19時) (レス) id: 69b33ec2b6 (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - はじめまして！お話読ませて頂きました！主人公さんには是非とも幸せになって欲しいです…！でも〇ッチ姉が黙ってるとは思えないし…これからも楽しみにしてます、更新頑張って下さい！ (2019年8月21日 17時) (レス) id: 680cc78f50 (このIDを非表示/違反報告)
ナントリーロード - 鶴来アリス様!夜咲窓花様!コメントありがとうございます!自己満足のつもりで書いたのですが、かなりの好評価を頂き、コメントまでしてくれる方もいるので、皆様のご期待に添える様、頑張らせて頂きます!これからもどうぞ、応援よろしくお願いします! (2019年8月18日 1時) (レス) id: 69b33ec2b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナントリーロード | 作成日時：2019年8月13日 22時
