【刀剣乱舞】双子審神者と刀剣男士【参】 (ページ10)

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第7話歓迎会の始まりページ10

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一期と燭台切に呼ばれた大和はその2振りを合わせた10振りと共に大広間の前に来ていた。

「銘も逸話も持たない俺が皆(みな)とやっていけるだろうか…」
「第一印象は大切ですからね！」
「一体どんな刀剣がいるんだろう…。ふふっ、わくわくしてきたよ」
「ちゃんと仲良くなれるように、うまくやらないとね」

「どうしていち兄が来るんですか…どうせなら、小さい子を連れて来てくださいよ」
「またお前はそんな事を言って…」

「俺達のために歓迎会をしてくれるって言うんだろう？それは楽しみだね」
「歓迎会…ということは、飲めると思っていいのかな」
「どんなこがいるかたのしみだな」
「皆君達のために頑張って準備をしていたから、是非楽しんでいってね」

「…じゃ、開けるぞ」

大和は大広間に続く襖に手をかけ、少し開いたと思うと、次の瞬間。
一気に最後まで襖を開ききった。

…開かれた襖の先にいたのは総勢58振りもの刀剣男士たちであった。
設置されている長机の上には歓迎会用のご馳走が所狭しと並べられている。
その中でも何人かの手にはクラッカーがあり、大和は襖を勢いよく開いた瞬間、パンッとそれが開かれる音がした。

色とりどりの小物が、新刀剣男士たちの頭上や目の前に降り注いだ。
突然の事に新刀剣男士たちは呆然とする。
呆然とする8振りをよそに、脇にいた撫子は小声で「せーのっ」と58振りの刀剣男士たちに向けて言った。

「ようこそ、本丸へ！！！」

＊

宴が始まり、大広間は一瞬にして熱気に包まれた。
新たな出会いに喜び、主役の8振りの周りには様々な刀剣男士が集っていた。
その熱気に当てられていた大和は、少し風にでも当たってこようと大広間を後にした。

あれだけ明るかった空は暗く、少し肌寒く感じるほど空気も冷えきっていた。
様々な刀剣男士の声が聞こえる大広間にある縁側を歩いていると、端に見慣れた布の塊があることに気が付いた。

「……山姥切」
「…ああ、あんたか」

大和が名を呼び、それに気が付いた山姥切はそう短く返事をした。
山姥切の顔はほんのり赤く、彼も大和と同じく風にでも当たってこようとここにいるのが分かる。

と言っても、大和は飲んではいないのだが。