【刀剣乱舞】双子審神者と刀剣男士【参】 (ページ8)

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第5話期待の眼差しページ8

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「皆さん、お疲れ様です」

大和に厨の手伝いをするように頼まれた撫子は、ゆっくりと厨の戸を引いて言った。
厨は料理を作る者、皿を並び運ぶ者、つまみ食いをしようと策を巡らせる者などの刀剣男士達で溢れかえっていた。

「あ！主ちゃん。案内はもう大丈夫なのかい？」
「はい。お兄ちゃんが代わって下さって…」
「主くんが！？困ったな…飾り付け係の皆が最終確認をして欲しいって頼んでたんだけど…」
「私が代わりにやります。他にお手伝い出来ることがあれば言ってください！」
「オッケー。その時は呼ぶね」
「はい！」

撫子は元気よく返事をすると、大広間の方へ急いで走っていった。

「主は妹君に過保護であるな。妹君がやるべき事も全て主がやっているのだろう？」

金平ごぼうの入った大皿を軽々と持ち、撫子の後ろ姿を見ながら小烏丸は言った。

「主は"しすこん"って奴らしいからな…」

そんな小烏丸に獅子王が言った。

「"しすこん"…？この父でも知らぬ言葉だな…」
「俺もよく分からねぇんだけど、一言で言うなら超女兄弟好き！って意味らしいぜ」
「じゃあじっちゃんが好きな獅子王は"じじこん"と呼ぶべきか？」

嬉しそうに小烏丸が言うと、獅子王はちょっと考えた後、曖昧な笑みを浮かべてこう言った。

「…ニュアンス的にちょっと嫌だ」
「ははっ、そうかそうか」

＊

「ぶえっくしょいッ！！…何だ湯冷めか？」

同時刻。
風呂から上がった一行は本丸案内を続行していた。
湯冷めしないために、外には出ない予定であるが、大和はあまりにも無計画な自分を呪った。

「大丈夫か？主。俺の上着を貸そう」
「ありがとう巴形。でも裾を引き摺りそうだからやめとくな」

巴形を見上げながら大和は言った。

「そう言えば主さま。少し聞きたいことがあるのですが」
「ん、何だ？」
「そろそろ僕の兄弟にお会いしたいのですが…一体何処に居るんですか？」
「確かにそれは気になるな。それに、さっき君が言っていた燭台切というのは俺達と同派で祖が一振、燭台切光忠の事だろう？是非お目にかかりたいものだ」
「”兄弟”！？素敵な響きだね！ご主人様、僕にも兄弟はいるのかい？」

そう言い、毛利と大般若、亀甲は期待の眼差しを大和へ向けた。
他の5振りも自分以外に刀剣がいると聞いて目を輝かせた。