【刀剣乱舞】双子審神者と刀剣男士【参】 (ページ12)

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第7章大きな鶴と小さな秋ページ12

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━━━まだ、この本丸が戦力的に未熟であった頃。

記念すべき40振り目として顕現した鶴丸国永は、本丸の縁側を歩いていた。
目に見えるものが初めてで、鶴丸の心は踊っていた。
そんな中、中庭で偶然赤く染まった木の葉を見つめている秋田を発見した。

秋田は赤や黄色く染まった葉を見て目を輝かせ、その下に落ちている葉を拾った。
秋田は手元にある2枚の葉を満足気に見つめると、自身の肩にかけていた小さな鞄に大事そうに仕舞った。

「よし…！」
「わっ！」
「うわぁぁああ！？」

鶴丸に背後から驚かされ、秋田の身体はびくりと跳ねた。
その反応を見て、鶴丸は嬉しそうに笑った。

「ははっ！すまんすまん。驚いたか？」
「はい！凄く驚きました…！えーと、鶴丸国永さん…ですよね？僕は秋田藤四郎です！」
「秋田か！…にしてもきみ、落ち葉なんて集めて何をしているんだ？」

首を傾げ、鶴丸は率直に疑問をぶつけた。
それを聞かれ、秋田は少し照れ臭そうに笑う。

「秋を探していたんです」
「秋…？」
「はい。僕、ずっと貴い方の守り刀をしていたので外の世界というものをあまり見たことがなかったんです。だから、今まで見れなかった分、沢山のことを探そうと思って…」

そう言い、秋田は鶴丸━━━の後ろにある澄んだ空を見た。
秋晴れの清々しい空は、まるで秋田の瞳のような色をしていた。

「…なあ、秋田」
「？何ですか？」
「その秋探しってやつ、俺もやってもいいか？」

突然の申し出に、秋田の元々大きな空色の瞳がもっと大きくなった。
秋田の動きが止まり、石のように固まった。

「俺はこの本丸に顕現したばかりで知らないことも沢山ある！それに、秋を探すだなんて驚きに事欠かなそうだしな！…駄目か？」
「い、いいえ！」

秋田は、鶴丸の言葉に弾かれたように返事をした。
そして、ピンッと背筋を伸ばすと、勢い良くお辞儀をした。

「これからよろしくお願いします！」
「ああ、こちらこそよろしくな！」