04：退屈しのぎにすらならない ページ4
｢……でして、審神者の力が……あなた方に……おねが…｣
机上は、男が持ってきた資料が所狭しと敷き詰められている。
受け取ったパンフレットはどれも同じ物で、
しっかり人数分準備していたようだ。
それを適当に流し読みしながら男の話に相槌を打つ。
どうやら彼らから見た過去(詰まるところ自分達が生きてる現在も)において、歴史遡行軍とやらが闊歩し自分達に都合の良い未来へ改変しようとしてるらしい。
それを防ぐ対抗手段として刀剣男士なる物を使役する審神者の力が不可欠だとかなんとか。
その力が自分達にはあるようだが、正直、興味も惹かれなければ報酬も旨いと思えない。
「君たちが、勝手にやればいいんじゃないのかい？」
「いえ、それは出来ません。私たちには、審神者としての力が皆無ですので……」
男は、苦虫を噛み潰したような顔で首を横に振る。
当事者の如く語るものだから
てっきり、同じ『審神者の力』とかいう物を持っている同志を掻き集めているのかと思った。
まぁ、かと言って非戦闘員の感傷に同情する気もないが。
「一応聞きますけどー、アンタらが言うその"力"って何なんです？」
瞬間、男の眼差しに真剣味が宿る。
それは、己の感傷を引きずったまま、
力ある物に託そうとする
傲慢な救世主を勝手に作り上げる弱者の目。
「『眠っている物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる技を持つ』そう、文献には、記されています」
キツく膝上で拳を握る男。
どこまで行っても小物感しかせず、
ベルは、既に飽き出していた。
これ以上聞いていて、何の得がある？
「あっそ」
そも、何が楽しくて過去なんかを守らなければならないのだ。
改変するなら、勝手にすればいい。
防ぎたいなら、そういうイイコちゃん達でやればいい。
少なくともベルとマーモンはそう感じていた。
審神者として生きるより、今のまま
ヴァリアーや周囲を巻き込んで
自分の好きなようにやるのが性に合っている。
フランもきっと同じだろう。
ようやく最近、自分たちと同様に"未来の記憶"を受け取り、六道一味からヴァリアーへ出稼ぎに来ているぐらいなのだから。
得体の知れない奴らの使いっ走りになる、
なんて、そんな馬鹿げた選択。
彼が取るはずないだろう？
もう、無知な林檎時代では無いのだから
軽く笑い、横目でフランに視線を送る
彼は、受けた視線に何の反応もせぬまま
退屈そうに資料を、流し見ていた。
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謝りにゃんこ＠(プロフ) - 凪李さん» コメありがとうございます！！長らくお待たせしまって申し訳ありません💦細々とですが再開していきますので、どうか楽しんで頂けたら幸いですm(_ _)m (2022年12月5日 12時) (
レス) id: 748aacd131 (このIDを非表示/違反報告)
凪李(プロフ) - とても面白いです！続き、待ってます。 (2019年12月16日 8時) (レス) id: 559960cfa2 (このIDを非表示/違反報告)
謝りにゃんこ＠(プロフ) - wayu0112さん» ごいえいえです( ´艸｀)応援してます！！！！ (2019年10月27日 20時) (レス) id: b919b38f82 (このIDを非表示/違反報告)
wayu0112(プロフ) - 謝りにゃんこ＠さん» うわぁありがとうございます！語彙力皆無なりに頑張ります！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: 3e063600b4 (このIDを非表示/違反報告)
謝りにゃんこ＠(プロフ) - wayu0112さん» ありがとうございます！！亀にならないよう頑張ります！！！wayuさんの作品も読ませて頂いてます！！設定から流れから大好きです！！！！ (2019年10月27日 11時) (レス) id: b919b38f82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：謝りにゃんこ＠ | 作成日時：2019年10月26日 9時
