震える指先。 ページ15
『えっ！行きたいです！』
即答されるとは思うてへんくて
家の掃除をするのに必死で(笑)
床に散らばった本や雑誌を片付け
溜まった洗い物を片付け
Aちゃんが飲みそうなカフェオレを買ってきて、落ち着かないまま最寄りの駅へ迎えに行った。
『…章大くん！』
「よ、お…」
夏らしくつばの小さめな麦わら帽子と
半袖のストライプのシャツワンピとスニーカー。
ベージュのリュックサックに
揺れるラプンツェルとアリエル。
『これ、ママが持っていきなさいって』
どこかの有名な焼き菓子らしい。
さすが、ちゃんと親に俺んち来るって言うてきてんのやな。
「ありがとう…」
『おじゃまします』
ちょ！！！！
俺んちに女の子が来るのって初めて？？
あかん！！！
落ち着かへん！！！
『どうしたんですか？』
「あ、いや、リビングそっち」
『はーい』
「アイスのカフェオレでええかな？」
『いただきます』
リビングの本棚を物色するAちゃん。
ダイニングテーブルにお客様用のコップに入れたアイスのカフェオレを置いた。
『この本、ウチにもあります。あ、これも』
「…今、父さん本社勤務やないから昔の本かな」
『そうなんですか？』
「ん、関連会社に出向しとる。週末しか帰ってきいひんねん」
『寂しいですね。じゃあ普段はお母様と？』
「……」
どくん、どくん、
心臓の鼓動は大きく聞こえるのに
どんどん体温が下がっていくのが分かった。
手が震える。
どくん、どくん、
身体に血液が回ってるはずやのに。
『章大くん？』
「…母さんは……出ていってしまって…はは」
『え…』
「3年ぐらい会うてへんなぁ……はは…」
『……悲しい時は無理に笑わなくて大丈夫ですよ』
「……Aちゃん」
『…大丈夫です』
俺の背中に
Aちゃんの手のひらと
おでこがついた感触がして
さっきまで冷たくなっていた身体に
体温が伝わり指先の震えが止まった。
振り向いて
ぎゅっと彼女を抱き締めた。
彼女も俺の背中に腕を回した。
「…ううっ」
『章大くん…』
何年も我慢してた涙が
堰を切ったように
溢れ出て止まらなかった。
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千尋∞syubabu(プロフ) - sangozygoさん» 私も自己満で書いてます(笑)だからやばいです爆笑 (2019年6月9日 20時) (
レス) id: 191a024957 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - ブルームーンさん» ほう！そのお付き合いは考えたこと無かったです！有り得そう…。そうなんですよ、あの渋谷さんのこどもがこの2人だったのです……w (2019年6月9日 15時) (レス) id: 3df521cf6f (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - がくたんさん» サブタイトルについてはラブレター送り付けます（笑）文字数が足りないのでw気分は大映ドラマでした（歳がバレる） (2019年6月9日 15時) (レス) id: 3df521cf6f (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - 千尋∞syubabuさん» 一気読みありがとうございます。自分の自己満足の為に書いているものに感想貰えてほんと有難いと思います。まずは自分が書いて楽しむこと、それが1番なんじゃないかな？って。そう思ってます。 (2019年6月9日 15時) (レス) id: 3df521cf6f (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - やすこさん» 村上さんの主体の話はここには無いけど、リハビリの日々の番外編に村上さんのおはなしがあるのでお時間あれば是非！次が決まってないんですけど、また下書き頑張ります（笑） (2019年6月9日 15時) (レス) id: 3df521cf6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sangozygo
| 作成日時：2019年5月23日 23時
