03(完結) ページ46
『休憩ありがとうございました…』
村上さんに声を掛けるとビックリしてて。
「早ない？もっとゆっくりで良かったのに」
『いえ、助かりました』
「これ、タグ。こんだけ売れましたわ」
『え、えっ。凄いですね』
「やろ？」
村上さんが私のいない間に
3着も売ってくれていて
今日のノルマを達成出来そうな予感。
…渡すなら、今。
『村上さんっ、あのっ』
「ん？」
手に持ったチョコを村上さんに差し出そうとした時、デパートの社員さんが村上さんを呼びに来た。
『村上さーん、課長が探してますよ』
「すまんすまん。今戻る」
私はササッと手を後ろに隠した。
「…ん？」
『いえ。あのありがとうございました。店に立っててもらって助かりました』
「ええよ。気にせんといてな」
そう言うとレジの方へ走っていってしまった。
…渡せなかった。
…はぁ。
"いつもお世話になってまーす"ぐらいのノリで渡せば良かったのに。
…そんなノリで渡せないぐらいの
大本命チョコレートを買ってしまった自分を呪った。
そして、閉店時間になり
日報と服のおたたみをやっていたら
デパート側の照明が落ちた。
それは婦人服売り場の社員さんたちの就業時間が終わった事を意味する。
…終わっちゃったんだ。
…もう帰っちゃうよね、村上さん。
…自分で食べるか？このチョコ。
カツカツカツ、と通路を歩く足音。
それは自分の店の前で止まり
「…お疲れ様です」
と、私を探すように発せられる声。
『お、お疲れ様です。どうしたんですか？』
「…えっと」
『…』
言葉に詰まった村上さんは
右手を差し出した。
『…え？』
「…俺に渡すもんあるんちゃうの？」
『…へ？』
「…自惚れやったら恥ずいんすけど？」
『…あ、』
私は急いでチョコを取り出してその右手の手のひらにそっとのせた。
「……まさか、義理とか言わんよな？」
『……言いません』
「………良かった」
『なんで、チョコレートのこと分かったんですか…？渡そうとするのバレてました？』
「…まぁイチかバチかやったんすけど(笑)」
『え、じゃあチョコ無かったらどうするつもりで…？』
「無かったら？ほしたら俺が好きやって言うだけやったけど？」
終わり。
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sangozygo(プロフ) - やすこさん» やすこさぁぁん！2ページで前回より短くなってごめんなさい（笑）ぐふぐふしてもらえたなら何よりです！ (2019年6月22日 9時) (
レス) id: 3df521cf6f (このIDを非表示/違反報告)
やすこ(プロフ) - こんばんは。遅くに失礼します。通知をみて、キタコレ！って思いながらページ開けて。さらに、オォ！って。ぐふぐふしながら読みました！sangoさんに降りてきてもらえる日を待ってます！ (2019年6月21日 22時) (レス) id: ece002bc32 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - やすこさん» やすこさーん！この村上さんで長い話に出来たらいいなと思いつつ、3ページでごめんなさい(笑)かっこいい村上さんもヘタレな村上さんも書いてみたい2019年ですw (2019年2月16日 11時) (レス) id: b426f69b31 (このIDを非表示/違反報告)
やすこ(プロフ) - スーツ素敵。さりげなく助けに来てくれるのもかっこいい。自分の売場に来て欲しい！休憩中だったので、すごく癒されました。昼からも売場で妄想しますね。たまらん(*ﾟ∀ﾟ)=3 (2019年2月15日 12時) (レス) id: 6c276f17d6 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - がくたんさん» 言うバージョンもアリかなとも思いつつ、ここはチョコを手のひらに乗せてみたよ(笑)タイトルが決まらなくて公開を少し諦めてた…w (2019年2月14日 23時) (レス) id: b426f69b31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sangozygo
| 作成日時：2018年7月14日 13時
