02 ページ2
1度だけ強く握られた手を動かしてしまったら
彼は直ぐに手を離すだろう。
そう思って左手はフラットにしておいた。
『ありがとうございましたー！！』
『また明日ー！！』
『バイバーーイ！！』
一番最初にはけてきたのは
丸山さんだった。
汗だくの丸山さんは
何も言わず彼を見つめ
そして私を見た。
「…」
「…」
「…」
丸山さんの後ろから村上さん。
その後ろに錦戸さんが続く…。
村「すばる」
錦「すばるくん」
渋「おつかれ…」
繋がってた彼の右手と私の左手が離れた。
それは
丸山さんが私の左手首を掴んで
舞台袖を出たからだった。
無言でドームの廊下を歩く丸山さん。
楽屋とは反対の方向へ進んでゆく。
人気のない方へ。
「ま、丸山さんっ」
「…」
「どこに？」
「…」
「丸山さんっ」
かなり遠くまで廊下を突き進んで
辿り着いた場所はシャワー室。
"使用中"の札をスライドさせ
無言でドアノブを回すと
中に入り私を奥へと押し込む。
内側から鍵をかけると
シャワー室の電気をつけた。
「丸山さん…？」
まだ何も言わず
私との距離を詰めて
更にシャワー室の奥へと誘導する。
個室のシャワー室
私は壁際に追い詰められ
丸山さんが右手を伸ばして
シャワーの蛇口を捻った。
「きゃっ」
まだお湯にもなっていない状態で
服を着たまま上から降り注ぐ雨。
「ま、丸山さんっ、衣装！脱いでくださいっ。明日も使うのにっ、衣装さんに怒られちゃ…」
「衣装なんかどうでもええねん」
「…え」
「乾かせばええだけやん？」
「丸山さ、ん？」
丸山さんの髪の毛が少し暖かくなったお湯で濡れた。
両手をそれぞれ掴まれて壁に押し付けられる。
「なんですばると一緒におったん？」
「え、それは…」
「俺を煽ってるん？」
「…丸山さん？」
「すばるだけは…あかん」
「ごめんな、さい。そんなつもりじゃなくて」
別に
私と丸山さんは
そういう関係でもない。
別に
渋谷さんともそういう関係でも無いのだけれど。
「…俺の気持ち…気づかへんかった？」
「…え」
「Aちゃんのこと…」
「丸山さん…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sangozygo(プロフ) - やすこさん» やすこさぁぁん！2ページで前回より短くなってごめんなさい（笑）ぐふぐふしてもらえたなら何よりです！ (2019年6月22日 9時) (
レス) id: 3df521cf6f (このIDを非表示/違反報告)
やすこ(プロフ) - こんばんは。遅くに失礼します。通知をみて、キタコレ！って思いながらページ開けて。さらに、オォ！って。ぐふぐふしながら読みました！sangoさんに降りてきてもらえる日を待ってます！ (2019年6月21日 22時) (レス) id: ece002bc32 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - やすこさん» やすこさーん！この村上さんで長い話に出来たらいいなと思いつつ、3ページでごめんなさい(笑)かっこいい村上さんもヘタレな村上さんも書いてみたい2019年ですw (2019年2月16日 11時) (レス) id: b426f69b31 (このIDを非表示/違反報告)
やすこ(プロフ) - スーツ素敵。さりげなく助けに来てくれるのもかっこいい。自分の売場に来て欲しい！休憩中だったので、すごく癒されました。昼からも売場で妄想しますね。たまらん(*ﾟ∀ﾟ)=3 (2019年2月15日 12時) (レス) id: 6c276f17d6 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - がくたんさん» 言うバージョンもアリかなとも思いつつ、ここはチョコを手のひらに乗せてみたよ(笑)タイトルが決まらなくて公開を少し諦めてた…w (2019年2月14日 23時) (レス) id: b426f69b31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sangozygo
| 作成日時：2018年7月14日 13時
