ところで、ジュピター(赤)

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12時のチャイムが鳴る。



ここに社食は無くて
お弁当を自分で毎日作るほどマメでもない。


お母さんも仕事してるから
学生の時のノリで
お弁当作ってよ、だなんて言えない。



友達の同期といつも一緒にランチに行くけども
その日は友達が電話当番で。



私ひとりで近くのカフェに行く。

今日は混んでて
相席か、待ちますか？なんて。


空くのを待つ時間は無い。


きっちり50分で戻らなきゃいけないから。




「Aさん？」




先に2人席に1人で座ってた渋谷くんが私に気づいて声を掛けてきた。



『お客様、相席されますか？』



タイミング良く店員さんが聞いていて
渋谷くんには悪いなぁと思いつつ
でも残り時間を気にしてて。




「あ、相席。いいっすよ」




「え、いいの？」



「どうぞどうぞ」




テーブルの上の雑誌をどかしてくれて
座るように手を差し出した。




「すみません、お邪魔します」





そして店員さんがグラスを持ってきてくれて
オーダーを私に聞いてくる。




「サラダランチ、アイスオーレで」



『ドリンクはいつお持ちしますか？』



「一緒で」




『かしこまりました』




「サラダなんて食べたうちに入らないんじゃないすか？」




「そんなことないよ。ここ量も多いし。渋谷くん何頼んだの？」





「僕？日替わりです」




「へぇ」




「興味無さそうっすね…」




「ここ、サラダランチしか食べないからなぁ…」



「あ、そうゆう…」



『日替わりランチです』






ワンプレートに乗った
鳥の照り焼きとサラダと白いご飯に
別でスープがついてくる。



「すいません、お先です」



「どうぞ」





食べているところを見るのも悪いので
スマホでYahooニュースなんて見たりして。
(よく読む雑誌は他の人に取られていた)





「Aさん」



「なに？」




「Aさんの彼氏ってどんな人っすか？」




「…は？」




「いや、Aさんの彼氏…」





「…え？」





「どんな、人かなって思うたんで…でも、すみません。聞かれたく無い事もありますもんね」






「…えっと」





「すみません、聞かなかったことにしといて下さい」







そう言われたら
「はい」としか返すしかなくて。

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