スパンコールな波際で。(緑)

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やっぱり全然相手にしてくれへん。


こう見えて人生初のキスと
告白したんやで？


まぁ、Aちゃんにとっては
何万回もしてるうちの１回やろうし
告白やっていっぱいされとるやろうし。


ちっきしょ、はよ大人になりたい。

ハイハイって
軽く流されて結局また車に乗って帰ることになった。


ほんまやったら
俺が運転する車に乗せてやりたい。
免許取れるまであと4年もある。

車も欲しい。

バイトもしたいのに
中学生ってホンマに不自由やんな！



一生懸命慣れない車運転して
可愛ええなぁ。

ハンドル両手でしっかり握り締めて
背すじピーンって伸びて
Aちゃんに対しては
もう可愛ええとか、凄いとか
褒めるとこしかなくて。


こんなに好きで好きで堪らへんのに
相手にもしてもらえない。


こんなに近くにおるのに
全然手に入らへん。


二学期絶対皆勤賞貰って
Aちゃんとデート行く！


やると決めたらやる。

そこは男やし！


遅刻もせんように
スマホのアラーム掛けまくって
朝飯食べられへん時は相当しんどい。


1時間目から
お腹がぐーぐー鳴り響いて
見兼ねたクラスの女子が
こっそりお菓子をくれる。


あんまり甘いもんは食べへんけど
背に腹は変えられへん！




『大倉くん、最近ちゃんと学校来てるんだね』


「ん、まぁな」



隣の席の女子に話しかけられた。


『大倉くんと喋れてラッキー』


「なんで？」


『なんでって、カッコイイもん』


「…はぁ」



なんやねん、カッコイイからなんやねん。
どいつもこいつも俺の中身なんて見てへん。
ほら、カッコイイとか言われるのは
悪い気分やないけど
みんな顔で恋愛するんかいな。



…めんど。


ホンマにめんどい。


Aちゃん以外いらん。




二学期は1度も遅刻せず
休むことなく(途中の授業サボリはええやろ？)
終わることが出来た。




「Aちゃんっ！！」


寒いけど部屋の窓から
Aちゃんを呼ぶ。






『なに？』ｶﾞﾗｯ




「USJ！行こ！」



『なんで？』




「え、俺、二学期1回も休まず通ったよ？」




『あ、そっか。バイト無い日あったかな…』




うそやろ。
俺3ヶ月めっちゃ頑張ったのに。



『また連絡するね』





窓閉められて落ち込む12月21日。

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