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赤side
りゅうへいは、目を丸くして
俺の首元を見ている。
りゅうへいの大きな右手が
喉仏の下の大きな傷を撫でた。
声が出なくなって
1度喉元に刃物を突き立てた。
死んでしまえばいいと思った。
でも
手についた自分の真っ赤な血で
『死にたくない』
そう本能的に思って刃物を投げ捨てた。
俺はタダの死に損ない。
生きる意味が見いだせないのに
死ぬことは怖い。
何もかも中途半端な
タダの死に損ない。
丸「痛かったやろな？」
丸「しんどかったやろな？」
スマホを操作して
ひとつの動画ファイルをりゅうへいに見せた。
丸「見てええの？」
去年の学園祭。
軽音部のステージ。
俺が最後に歌った思い出の動画。
時間にして15分ほど。
久しぶりに俺も見た、かつての俺。
まだ生きる意味を見いだせた頃の俺。
…えっ。
りゅうへいが泣いてる。
ボロボロと涙を流してる。
丸「凄いな」
丸「こんな歌声してんねんな…」
丸「語彙力無くなるわ」
丸「なんでこんなに凄いんやろ」
右手で目頭を抑えて
口の端が上がっていた。
。
丸「…すばる…俺もな…」
りゅうへいは左手の腕時計を外した。
茶色い太めの革のベルト。
銀色の丸い時計盤。
手首にいくつもの傷。
丸「…何度も傷つけてしまったんや」
丸「生きることに疲れてしまってな」
丸「でも、すばるに比べたらちっぽけなもんやわ」
りゅうへいが首の傷にキスをした。
それは優しく
何度も何度も唇を押し当てて。
左手は俺の腰を引き寄せて。
りゅうへいのふわふわな髪の毛を撫でて
耳たぶを触った。
丸「くすぐった、い」
丸「すばる…？」
その距離が一秒ごとに縮まって。
丸「す、ばっ…これ以上は…っ…あか、んっ」
『抱いて？』
丸「…え」
『お願い』
丸「…ええの？」
俺はスマホを投げ捨てて。
この日りゅうへいと
初めてひとつになった。
。
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ばなぽ(プロフ) - 重くなさすぎずいい感じの重さで20年も思い続けてる2人が素晴らしすぎます笑 (2018年4月13日 15時) (
レス) id: 6cb5632d3f (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - ばなぽさん» 20年もの長い時間に何があったかは想像するしかないけど、ハルジオンよりは重くならないようにしましたーw (2018年4月13日 9時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
ばなぽ(プロフ) - ヤスくんと大倉先生がまさかの、斗真くんは最後までわたしにはわからなかった(笑)でもめっちゃ最後すきです(><) (2018年4月13日 0時) (レス) id: 6cb5632d3f (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - やすこさん» やすこさんバランス取るお手伝いができて何よりでございますー！(*´ω｀*) (2018年4月12日 19時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - ひみささん» ありがとうございます。とりあえずありがとうございます(笑) (2018年4月12日 19時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sangozygo
| 作成日時：2018年3月31日 10時
