18 ページ18
ホテルの部屋を出るとき
丸ちゃんがカバンから
これ…って。
「これ買ったん…あげる」
クロムハーツのピアス。
ブラックダイヤモンド。
…こんな高いの貰えない。
いや、高くなくても貰えない。
「貰えないよ」
「つけてとは言わへんから貰って。お願い」
「…ありがとう…あたし、何もあげるものない…」
「これでええよ」
左手首にあったヘアゴム。
紺色で黄色いお星様の飾りが2個ついてる。
自分で作ったやつ。
それを返事も聞かずに取った。
「…」
「もう会わへんから」
「…うん」
「Aさん」
「なに？」
「…俺、このまんま独身でおるから」
「え」
「Aさん以外…なんも欲しいもんないねん」
「…」
「何十年でも待ってる」
「…」
「勝手に待ってるだけやから、気にせんで」
「…気にするよ」
「ふふっ…じゃあ…さよなら…Aさん…」
「さよなら」
背を向けて靴を履こうと思ったときに
後ろから強く抱き締められた。
「ほんまありがとう…愛してる」
ずるい。
ほんとずるい。
何も答えられなかった。
答えたらダメだと思った。
「泣かんといて」
「ごめん…」
「帰したなくなる」
「ごめん…」
「そういうとこ好きやで」
「意味わかんない」
「自分を持ってるAさんが好き。
俺は、世間から求められる丸山隆平を演じとるだけ。
ほんまの自分がどうなんか、
もう分からんようになってまったんや」
「…」
「…でもな、
この世界にAさんが居てくれるだけで、
俺が生きる意味がある。
それだけで幸せなんやて。
だから勝手に待たせてもらうな」
手の力が緩んだ。
行かなきゃ。
帰らなきゃ。
身体の向きを丸ちゃんの方に向けた。
泣きそうな顔を
両手で挟んで
思いっきり引き寄せた。
「…A…さ…ん…」
あたしからした
初めてのキス。
「ありがとう。丸ちゃん。さよなら」
。
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 176人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がくたん(プロフ) - sangozygoさん» いい、いい！その結論！爆笑 (2018年5月2日 23時) (
レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - がくたんさん» 丸妻になってもいいよね？うん。いいよね？モヤモヤした時はとにかく抱かれたらいいんだという結論に達したのです(マテコラw) (2018年5月2日 16時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - まこさん» 妄想と現実の間を行ったり来たりしていた取説でした。最後は抱かれたい欲求しかなかったですw (2018年5月2日 16時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - 蒼乃碧さん» 何年後かに丸ちゃんと結ばれます(真剣) (2018年5月2日 16時) (レス) id: 2d16d0288e (このIDを非表示/違反報告)
がくたん(プロフ) - さんごさん、読めたー！お話がというより、さんごさんの感情を読めて良かったです。連絡くれてありがとう。あー、この丸ちゃん、リアルすぎて私も丸妻になってしまった(笑) 幸せだった♪ (2018年5月2日 6時) (レス) id: c5150bc668 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sangozygo
| 作成日時：2017年10月4日 10時
