花束をきみに。

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橙side




つ、疲れた。

なんやの、今日は。

変な事件に巻き込まれて。


第一発見者？


あんなん、ドラマだけの世界かと思ってたわ。


人が死ぬところを


目のあたりにして


吐き気が止まらない。



身体の震えも止まらない。



あかん。


ちょっと落ち着こう。



帰り道の自販機で


ホットミルクティを買って


ふーふー言いながら飲んだら


少しだけ平常心が戻ってきた。








丸「ただいまぁ…」




「おかえり〜。どしたの？」




丸「いや、ちょっと事件に巻き込まれてなぁ…」




「もう、隆平ったら大丈夫？」




丸「おん、なんとか。大丈夫やったけど…」





「もう、来月には結婚式なんだから〜」




彼女が部屋に掛けてある
ウエディングドレスを見た。
真っ白に輝くドレス。





丸「そうやな…もうすぐ…幸せになろうな」





「…うん」






ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ。






丸「あ、安田さんから電話。もしもし」




安「おー、俺。飯行かへん？」





丸「え、今から？あ…」



彼女の方をちらりと見た。

彼女が"いいよ"って口パクする。







丸「分かりました。じゃ、いつもの居酒屋で…」





電話を切って
財布確認して
玄関に向かった。




丸「ごめんなぁ。朝までコースになりそうやから、先に寝とってな」





「いいよ。いってらっしゃい」




彼女にそっとキスをして
ドアを閉めて安田さんの待つ居酒屋へ向かった。




バタン。






…。






…。







…。









「もしもし？うん、今から大丈夫だよ？うちくる？やだー、大丈夫だって。朝まで帰ってこないし。じゃ後でね…」








…。





…。





…。

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