09 橙side ページ39
「…隆平？」
「…忠義」
「なんで…………A出ていったん？」
「知らんよ。俺に愛想でも尽かしたんやろ？隆平と一緒や」
「俺はっ、愛想なんて尽かしてへん…っ」
「は？出てったやん。そういうことちゃうの？」
「……」
忠義は
いつもと違って
冷たく俺をあしらう。
「……お前の幸せを願って身を引いたんがあかんの？」
「は？そんなん隆平の自己満足や。俺の気持ちなんて関係あらへんやん。俺の幸せ？何それ。お前が居らへんなら幸せにもなられへん。そんな簡単なこと分からんならええねん」
「……………じゃあ……俺は……どないしたら…良かったん……」
「……」
「……忠義は……俺だけ愛してくれる？」
「それは…無理や。あのあと死ぬほど考えてん。俺には隆平もAもどっちもおらなあかんねん。隆平がそれが嫌なら離れたらええねん。でもそれは俺の幸せを願ったんやない。隆平が傷つきたないからやろ？」
「………」
「ボロボロになっても、傷ついても傷つけてもそれでも乗り越えて一緒に居てくれるんやったら…死ぬまで絶対離さへん」
「………」
「俺の愛はそない軽くないから」
忠義の言うてることは
滅茶苦茶だと思うた。
俺だけ愛してくれへんのに
一緒に乗り越えろと言うん？
「…隆平」
「…分からへん」
「…分からせたる」
「えっ」
庭から縁側に上がり
俺をリビングのソファに乱暴に投げつける。
「ちょっ、と、忠義っ」
「お前、入れる専門やろ？」
「やっ、」
うつ伏せにされて
服を脱がされて
後ろから忠義が責めてくる。
「力抜けって」
「忠義っ、」
「隆平の初めて、俺に頂戴？」
「ーーーやっ」
「愛しとるよ、隆平」
何度も忠義に愛してると耳元で囁かれ
痛みはそのうち麻痺して感じなくなる。
いつもと違う行為に
地獄の底までも溺れていきそうで。
なあ、A。
俺らとんでもないやつ好きなってしもうたな、お互い。
でも、Aなら喜んで地獄の底まで付き合うてくれそうやな。
泣けてくるわ。
「忠義…………」
「……なに？」
「……地獄の底まで付き合うてくれる？」
「当たり前や」
「…Aもやろ」
「もちろん…」
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sangozygo(プロフ) - まるちょさん» まるちょさん初めまして。倉丸担さんから褒めてもらえると嬉しいです。最初にこのおはなし書いてから3年経つのですが色んな曲を聴きながら読むのも良いですね (2020年5月14日 9時) (
レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - kukuさん» kukuさんがりょんぴ忘れるなんて！(笑)しかしこの倉丸はとてもいい…とても…ドーナツあげてるりょんぴ、出番少なくてごめんなさい(笑) (2020年5月14日 9時) (レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
まるちょ(プロフ) - はじめまして。まるちょです。 あとがきでノルスタジアの話があって思ったんですけど、エイトじゃなくてKingGnuというバンドのTheholeという曲もこのお話とあってていいですよ！ 倉丸担の私に取っては最高でした！ (2020年5月13日 20時) (レス) id: 370e25f79f (このIDを非表示/違反報告)
kuku(プロフ) - あっ、りょんぴいたね。それ忘れちゃうぐらい倉丸に引き込まれてましたー！りょんぴはドーナツあげてる方でキュンとしてます((´艸｀*)) (2020年5月13日 19時) (レス) id: 77b505d5f1 (このIDを非表示/違反報告)
sangozygo(プロフ) - kukuさん» 世の中には沢山の愛の形があるんだなあと最近よく思います。りょんぴかませ犬でごめんなさい(笑) (2020年5月13日 18時) (レス) id: 5fab4b2048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sangozygo
| 作成日時：2017年7月1日 10時
