どうして私がアイドルと！？ (ページ9)

今日:104 hit、昨日:73 hit、合計:54,778 hit

9 俺から少し離れたことが… ページ9

.

「じゃあ俺と付き合って？」

目の前が真っ暗になった
そりゃそうだ、大声出して教室を飛び出して屋上まで全力疾走したんだもん
もう心臓が保つはずもなかった。

気がついたら保健室のベッドに横になっていた。
あの時の京本くんは疲れ切った私が見た幻だったのだろうか。

「A、気づいたか？」

隣を向くと風磨が心配そうな表情をしていた

「風磨…？」
「ごめんな。俺、しつこかったよな…でも嫌だったんだ、Aが俺から少し離れたことが…またどっかいっちゃいそうでさ、お前」

私の左手を強く握る風磨
どっかいくって、私どこにもいかないのに…
風磨だったらすぐこうやって隣に来てくれるって思ってるから

でも良い加減お互いに大人にならないとね
風磨、そういうとこだよ？

「風磨、私こそ大きい声出してごめんね？でも、松村くんとはなんとも、」

「ああ、北斗から聞いたよ。それに宣戦布告もされたけど」

「宣戦布告？」

「うん、でもそれはAには教えない」

「なによそれっ、風磨は男子にもおモテになられるのね」

「妬くなって」
「妬いてないってば！」

風磨と言い合いをしていたら先生に静かにしなさいって怒られて二人して教室戻ることにした

教室に入るとクラスのみんなが私たちを揶揄いだして説明も何も聞いてくれなくて全部風磨に任せた。

席に座るとさっきまで屋上に居たはずの京本くんが近づいてメモを渡してきた。
そのメモを見ると
『さっきの話、考えておいてね』

屋上のあの時間は私の幻じゃなかったんだ、とまた少し目眩がした。

.