49 むかつくんだよ。 ページ49
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みんながそれぞれ移動をし始める
松村くんは席そのままだったんだとか、ジェシーくんと�眞呂�んは隣同士で賑やかそうだなって。
樹くんは女子に囲まれてなんだか嬉しそう…
えっと、京本くんはどこなんだろう？
私の隣に机が置かれる
まさか、もしかして…と思い、顔を上に上げた
「やっぱり運命だねっ、俺ら！」
笑顔全開の森本くんだった
その「運命」ってやつを結構押し付けてくる
まさかホントにツインレイなのかな…？
「いやー、朝はいきなりでごめんね！でもこのビリビリ熱い感情を伝えなきゃって思ってさ！」
「ビリビリ、熱い感情…？」
このテンション、ジェシーくんとは違ってまた凄いかもしれんわ
ついてけないかも〜…
「慎太郎。Aさんが困ってるからもうちょっと気持ち抑えな」
私の後ろの席から聞こえてきた優しい声
一瞬でホッとした。だって…
「京本くんっ」
「Aさん、俺後ろの席だからよろしくね？」
教室で話すのは初めてかもしれない
隣は森本くんだけど、こんな近くに京本くんがいるならこの席も悪くないかもって思えてきた。
授業中も後ろに京本くんがいると思うと何故かドキドキしてくる
背中に視線を感じる瞬間もあるし、これじゃ授業に集中出来ないって！
昼休みに入って一人でさっさとお弁当を食べようとすると、わざわざ大男たちが私の周りを囲む。
いや、はたからみたらこれ親父狩りよ？
私、親父じゃないけど。
「Aちゃ〜んっ、一緒に食べよ！」
「一人よりみんなで食べた方が美味しくなるって！」
「てか一人で食べるとか寂しいじゃん、俺らもう親友だろ？」
「むかつくんだよ、Aの声が聞こえねぇと」
「なにそれ。じゃあ私の声を耳元で聞かせてやろうか？」
「キュンとするセリフで頼むな？せーのっ」
「アイドルじゃあるまいし出来ないわ、んなこと！」
こうしてみんなと昼ごはんを食べることになった。
京本くんはこちらの様子をじっと見ていたようだった。
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
