45 取られるぞ。 ページ45
．
予想されていた修羅場を何とか乗り越えた私は安堵したのか椅子に座り込んだまま立ち上がれないでいた
風磨たちも今までのことを見ていたから終わった瞬間すぐに私たちの席に駆けつけてくれた。
「樹、これで終わったな」
「ああ、Aちゃんのおかげだよ。今まで付き合ってきた女の子はAちゃんみたいにガツンと言わないですぐ別れたからな」
「やっぱAちゃんはすげーよ！」
「ジェシーくん、髪型崩れるからいじらないで！って、樹くんの上着汚れちゃったね…これから私の家で乾燥機でもかけよっか？」
「そうだね、お言葉に甘えちゃおっかな」
「えっ、俺も行っても良いの？家隣だけど」
�眞呂�んがオドオドし始める。
もしかして女子の部屋に入ったことない初心な男子なのかな？
ちょっと可愛いかも
私たちがお店を出て家に向かおうとした際
後ろにいた風磨と樹くんが何か話しているのを横目で見てみたけど、声は聞こえてこなかった。
「……なあ、風磨」
「ん？どした、樹」
「レンタル彼女、延長出来たりするか…？」
「その件に関しましては、レンタルの延長はしかねますのでご了承下さい」
「だよなぁ。ま、自力でなんとかしてみるわ」
「最近、Aの周りに男たかりすぎじゃね？」
「何もしてないままだと風磨、お前取られるぞ」
「誰にだよ」
「Aちゃんの魅力に気づき始めてるのは、風磨だけじゃねぇって言ってるだけ」
「マジでなんなんだよ。まさか樹、お前もか？」
「あながち間違ってないかもね」
一通り風磨と話したのちに私たちの方に駆け寄ってくる樹くん
風磨はその時切ない表情をしていたように私は見えた。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
