43 顔でしか見てない。 ページ43
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私と樹くんの後ろには監視要員としてジェシーくん、�眞呂�んが、テーブルを挟んで風磨が座っていた。
風磨は顔を知られていないので結構余裕をかましてる。
「なんか頼む？」
樹くんが私にメニューをすすめてくれるけど
この場面で優雅に食べれるわけないじゃない！
でも、何か頼まないとこのお店に迷惑かけるかもしれないし…
「…じゃ、パンケーキで」
「樹〜、私はチョコパフェね！」
うわっ、この子絶対私にパフェ投げつけてくるやつじゃん！
もしかして私もこのパンケーキで反撃した方がいい？
頼んだものが来るまで女の子は樹くんに話しかけてるばっかだし、ホントに私ただ居るだけって感じになってる。
「私さ〜、樹がこんな芋っ子彼女にするなんて信じられない。絶対ウソでしょ？樹のこと見てたわたしになら分かる」
「あんまり人の彼女のこと悪く言うなよ」
普段の樹くんとは違い、冷たい態度
それくらいこの子に嫌な思いさせられたんだな。
「彼女さんは、樹のどこが好きなの？」
「えっと、それは…、」
なんとか言い出そうとした時に頼んでいたメニューが席に届く
向かい側に座る彼女は私がいつまでも返答してこないのに苛立ちを示していた。
「…私の方が樹のこと好きなんだから！樹はね、あんたみたいな芋っ子じゃなくて見た目がギャルで細くて可愛くてっ、あんたなんかとは真逆の子がタイプなんだから！」
さっきから黙ってれば好き放題言ってくれるじゃん…
ここまで我慢できてるの、私じゃなかったら確実にパンケーキ投げつけてやってるわ。
女の子はそんな私の思いを知らずに激昂し続ける
「樹のこと好きなのは私なんだから！あんたなんか樹のこと顔でしか見てないそこらへんの女と変わんないだから！」
何だって？
なんで私、貴方のためにこんな我慢しなきゃいけないの…？
少し震えるカラダを抑え、私は椅子から立ち上がった
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
