41 予想つく？ ページ41
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しつこい女の子と言われている彼女と待ち合わせをしている駅前に向かう途中、樹くんは何も言わずにひたすら歩みを続ける。
「……あのさ、今日会う子って樹くんに何回も告白してきたって言ってたけど、樹くんはそれ断ってるんでしょ？それって一途ってことなんじゃないのかな…」
「そんなことねーよ。告白だけなら可愛いもんだけど、その後が嫌だったんだ」
「その後？」
「俺って中学も何人もの女の子に告白されて付き合ったりもしたんだけどみんな長続きしなかったんだよね。その理由予想つく？」
恋愛経験が乏しい私にだって何とく察しがつく。
そんなのドラマや恋愛漫画しかないと思っていたけどもしかして…
「その顔は分かるって顔だね？まっ、正解かな。その子って俺が付き合った女の子、俺のこと好きだって言ってる女の子全員に対して嫌がらせしてたんだよね」
私が絶句していると樹くんは「もう高校は違うし、今日会うの久しぶりだけど絶対守るから」と繋いだ手をぎゅっとしてくれた。
樹くん…自分ではモテるから〜と陽気で過ごしているけど、ホントはみんなと同じくらいの恋愛をしてみたいんじゃないのかなぁ…
でも、その子のせいで離れてく女の子ばかりでって
中学が違う私に今回の助けを風磨に頼んだって言った。
「……樹くんだってちゃんと恋したいんだもんね？」
「当たり前。モテなきゃ俺死んじゃうし」
「一回生まれ変わった方が良いかもよ？」
そんなバカみたいな会話をしていると待ち合わせ場所に立っている一人の女性。
きっと例のあの子だろうか
「待ったよ、樹」
その子は樹くんには笑顔で、
私にはキツく睨みをきかせていた。
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
