37 振り回されてる俺。 ページ37
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改めて道端で何をしてるんだろうと我に返って京本くんから一定の距離を取る。
「自分から言ってきたくせに」
「それはそうだけど、その顔で言われるとさ…ごめん、私がだいぶ揶揄ってしまった」
「謝らなくてもいいけどさ。こうやって二人で話せるの久しぶりだし。連絡先交換したのに、Aさんからメッセージこないしさ」
「え、待ってたの？」
「うん。俺が送っても良かったけどそれはなんか違うかなって葛藤してた」
私が妄想してしまったのは、京本くんが部屋で一人私に連絡しようかどうか悩んでる姿だった。
見た目と違って結構乙女なとこもあるんだなってクスッと笑ってしまう。
「おかしいだろ？こんなにAさんに振り回されてる俺って」
「振り回してるつもりなんてないけどねー…」
「あはっ、Aさんは変に飾らないでそのままの方が良いと思うよ。樹だってそんなAさんだからレンタル彼女頼んできたと思うしね」
「あ、でも洋服選びには自信ないから京本くんのセンスに頼りたいです…」
手を合わせてお願いすると「俺で良いなら」っと優しく微笑んでくれる。
この人の前だと、なんだか優しい気持ちになれるな私。
「そこのお姉さ〜ん、めっちゃスタイル良いですねぇ！暇なら俺と遊びに行きませんか〜？」
これってナンパ！？
でも、なんか私に言われてないような…
ナンパしてきたお兄さんをみると京本くんの方を見て声を掛けてる！？
え、私じゃなくて京本くん！？
「Aさん、俺の後ろに隠れてて」
小さい声で私を京本くんの背中の後ろに誘導される。
「俺、男なんですけど」
いつもより低い男の声でナンパしてきた人を一喝する京本くん
とても背中が大きく感じて守られて、男の部分を見てしまった。
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
