36 私のこと好きなの？ ページ36
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学校の屋上でしか会話したことのない京本くんと、今私は並んで歩いている。
しかも、彼が言うには樹くんのレンタル彼女の予行練習をするとか…
この男、読めない…っ！
「あのさ、予行練習って具体的に何をするの？」
「そうだなぁ、手始めにすれ違うカップルがやってること、俺たちも真似してみる？」
ここはショッピングモール街であるから若い子達から大人なカップルがそこら中にわんさかいる。
「京本くんとっ！？」
「そうだよ？だって予行練習だし、一発本番で樹の彼女役出来るの？」
「う〜ん…それはなんとも言えないかもですねぇ」
「でしょ？俺じゃなきゃ誰と予行練習するの？」
結構無理がある言い方だけど、きっと京本くんは私が本番で樹くんに迷惑がかからないように練習相手になるってことなんだよね？
「ほら、向こうからカップルが近づいてきたよ。準備はいい？」
覚悟を決めて自分の頬に気合いの一発をぶちかます。
どんとこい！カップルどもよ！
向こうのカップルとすれ違う
横目で行動を確認してみると、男性が女性の腰に手を添えて頭をすりすりして歩いていた…
ねぇ、京本くん
これやるってことでいいの…？
私にはレベルが高すぎるって！
私が戸惑っていると急に体を引き寄せられる
京本くんは何も躊躇いもなく私の腰に手を添え、頭をすりすりしてきた。
「ちょ、京本くん恥ずかしいからっ」
「俺も恥ずいけど、Aさんの為になるならいいよ」
「樹くんにもこんなことして大丈夫なのかな…」
「これは俺だけにしといて。樹にはしないで、わかった？」
「……京本くんって、私のこと好きなの？」
だって、気になるってだけじゃ分からないし
ただのクラスメイトにこんなことする人だなんて思いたくもないし
屋上で言ってくれた言葉にプラスして決定的な言葉を言ってくれなきゃ分からないって
鈍感じゃなくてもこんなことされたら誰だって
「俺に好きだって言わせたいんでしょ、Aさんは」
見透かされた
京本くんはなんでもお見通しみたい
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
