34 一番先に見せてね。 ページ34
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GW初日に入り、私のやることはたくさんある。
まずは樹くん好みの女の子を装うこと！
だって、偽物だとしても彼女の役をやるんだからそれなりの役作りはしなきゃね！
連絡先は交換済みだったのでLINEで細かくタイプを教えてくれる樹くん
聞いてるだけで私とは完全に真反対のタイプ…
これ私に務まるのかな…って自信がなくなってしまう。
樹くんはいわゆるギャル系が好きみたいで、少し露出した方が良いのかもしれない？
でもそんな格好したことなかったし、スマホでトレンドを検索しながら一人で買い物に出掛けることにした。
「うわ〜、無理！絶対似合わないっ！」
何気なく入ったお店に並んでいるマネキンのコーディネートを見て落胆する。
「いらっしゃいませ〜、お姉さん試着してみませんか〜？」
しまった。
店員に目をつけられた…！逃げたくてもここに用があって来たわけだし…ああ、もうっ！
「…し、試着させてくださいっ！」
意を決して試着室に入って普段自分が絶対選ばない洋服を着てみると鏡に映る自分が自分じゃないみたいで恥ずかしくなってくる。
ここでLINEのメッセージ
ジェシーくんだった。
【Aちゃんの新しい洋服、俺に一番先に見せてね】
特別意識しないように、平等に接しようと思っていてもこんなに私を想ってくれるジェシーくんを悪いようには出来なくて友達以上の感情が芽生えてきそうな気がする。
「お姉さん、着替え終わりました？」
店員さんの声でハッとし、スマホをカバンの中にしまい試着室のカーテンを開けた。
「あ、あの…どうですかね、あっ」
「おっ、」
偶然なのか、店員さんの後ろに居たのは
この場に絶対いるはずもない京本くんの姿だった。
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
