31 俺が守るからさ。 ページ31
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「聞きたくないけど、樹くんの頼みごとってなに？」
私のお見舞いに来たというのは多分嘘で、この頼みごとが本題なんだろうと瞬時に理解した私。
「簡潔に話すと今度の休日にAちゃんをレンタル彼女したいんだよね」
「はっ！？レンタル彼女！？」
「そっ。詳しく話すと長くなるんだけど、中学の時から俺のこと好きだって何回も告白してきてくれる女子がいるんだけどさ、結構しつこくて俺高校入って彼女出来たって言ったら会わせてってうるさくてさ〜」
話を聞いていて私の住む世界とは違うなぁ、と思っていたが他人事ではないことを思い出した。
「も、もしかしてレンタル彼女って、」
「Aちゃん話の理解早くて助かるよ〜、それで俺の彼女としてその子に会って欲しいんだよね！」
樹くんは平然と話すけど、聞かされた私の身にもなってよ！
てか、風磨とジェシーくんの承諾を得たってどういうこと！？
風磨にアイコンタクトで助けを求めてみる
「A、樹のこと助けてやってくれよ。話聞いてると結構しつこいらしくてさ、安心しろって俺とジェシーも後つけて行くからさ」
「そういう問題じゃなくて！」
「Aちゃんに何かあったら俺がすぐ助けに行くし！」
「何かあったらじゃ遅いの！」
「Aちゃんはちゃんと俺が守るからさ。そばにいてくれるだけでいいから」
樹くんの口角が上がり、私の頭を撫でる。
これで女子たちは落ちるわけか。
「わかったよ。一日だけだからね！」
「ありがと、Aちゃん」
目的を達成したであろう彼らは次々と帰っていった。
ジェシーくんだけを残して…
風磨が帰る前に囁いた
「ジェシーだって男だから、襲われないようにな」
顔を真っ赤にして怒る私を見てギャハハと笑って帰っていった。
ジェシーくんと部屋で二人きり…
未だ帰ろうとしない彼とさっきの風磨の発言に緊張してしまう。
なんで今になって意識しちゃうのよ、私！
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
