4 全員いるじゃんっ！ ページ4
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「君、Aちゃん？」
声のする方を振り向くと田中樹が満面の笑みで私の見ていた。
「あ、初めまして」
「俺、田中樹です。Aちゃんだよね？」
まるで街中でナンパをされている気分だな。
「はい、Aですけど…」
「風磨とどういうご関係なの？」
「へ？」
ご関係もなにも夢でしか会ったことないけど、と言いかけた時
「あーーー！！！」
「急に何っ！？」
黙れと言わんばかりに田中樹に手で口を押さえられる。
混乱しながらもこの人のことを思い出した
風磨と同じアイドル事務所でSixTONESというグループのメンバーだ。
風磨はSexyZoneで
田中樹とジェシーはSixTONES
周りを見ると名前は出て来ないけど京本政樹の息子さんと、よくドラマや映画で見かける寡黙な人。
それと日曜夜７時の男と日曜お昼の男。
SixTONES全員いるじゃんっ！
「ご、ごめんて！」
息を整えて状況をまとめた。
このクラスには風磨の他にSixTONESメンバーが在籍していると。
「えっと、田中くんだっけ？」
「俺のことは樹でいいよ」
「樹くんね」
風磨じゃあるまいしそう簡単には呼び捨てで呼ばないんだからね。
私は一つ違和感を覚えた
アイドルである菊池風磨やSixTONESを知ってるはずなのに、幼なじみの風磨に違和感を感じなくなっていた。
夢だと思っていたのに何故かこの世界観の風磨との小さい時からのエピソードで塗り替えられていく
そして中学の卒業式後に今の新築一戸建てに引っ越した
風磨は涙ぐみながら学ランのボタンを渡してくれた。
「これって第二ボタン？」と聞くと風磨は「ちがうっつーの」と耳を赤くしながら手渡されたエピソードがふわっと思い出される
現実にはそんなことされたことないのに何で…？
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
