30 俺モテるから。 ページ30
．
マジか……
夕方になりインタホーンが鳴って確認すると、両親ではなく３人の男子高校生の姿がそこにあった。
観念して扉を開けると風磨と樹くん、ジェシーくんが居た
まさか本当に連れてくるとは…風磨の奴っ！
「Aちゃ〜ん！足大丈夫？今日会えなくてマジで寂しかったんだからさー」
「ジェシーくんっ、背中も痛いから強く抱きしめないでってば！」
そう言ってもジェシーくんは私を抱きしめたままで離れてくれなくて、風磨と樹くんは半分呆れたような顔をして私を見ていた。
玄関先でそんなことされ続けても困るので不本意ながら３人を家の中に入れ、私の部屋へ促した。
「お邪魔しま〜す、女の子の部屋入るのってなんかドキドキしちゃうね〜」
「樹くんは慣れてそうだけど」
「そうでもないけど？」
「でも、入学してからもう３人の子達に告白されたって聞いてるよ？彼女がいるのに私なんかの部屋に来て良いわけ？」
「告白されたのは本当だけど、俺がいつ彼女いるって言った？」
樹くんから思いもよらない一言に言葉が詰まる。
３人もの女の子に告白されたって聞いたからてっきり誰かと付き合い始めたと思ってたわ。
「まあ、俺モテるから告白されるのは慣れてるけどねっ」
意外と真面目な男だと思いそうだったが、宣言撤回。
自分からモテるって言い張る男は真面目なわけないか。
「そこでなんだけどさ、Aちゃんに頼みがあって来たんだけど。もちろん、風磨とジェシーにも言って承諾済みだから安心して聞いて欲しいんだけど」
「樹くんからの頼みって、なんか怖いんだけど…」
ジェシーくんは相変わらず私の隣を占領していて
風磨はコンビニで買ってきたであろうスナック菓子を食べている。
それであまり接点のない樹くんからの頼み…
こんなお見舞いなんて嫌なんだけど！
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
