25 なんで笑うのさ。 ページ25
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保健室に足を引きずりながら入ってくる高地くん
部活中での怪我なんだろうけど、きっと私より重症だと思って先生に彼を先に診るよう促した。
処置を終えて椅子に並んで座る私たち
高地くんからこの沈黙を破ってくれたのは正直嬉しかった。
「野坂さん、どっか怪我した？俺が言うアレでもないけど」
「う〜ん、委員会の活動中に脚立から落ちちゃって」
「ええ！？委員会って確か、北斗と同じ図書委員会だっけ？あいつ何で助けてくれねぇんだよっ」
「松村くんはすぐ駆けつけてくれて私を運ぼうとしてくれてたんだけど…、」
そう言って松村くんの息づかいを思い出してしまう
彼の緊張が私にも伝わってきて治ったはずなのに、またドキドキしてしまう…
「大丈夫？なんか顔赤いけど？」
「んっ！？そ、そう？やだな〜、�眞呂�んと二人っきりだからじゃな〜い？」
何とか笑って誤魔化そうとしたら急に高地くんが片手で顔を覆っていた。
たまに風磨もそういう仕草するんだよなぁ、似てるのかな二人は。
そんな�眞呂�んを眺めているとまた保健室の扉が開いた
「野坂さんっ、大丈夫だった？」
松村くんが私のバッグを持って来てくれたみたい
嬉しさと同時に鼓動が速くなっていく。
「あ、ありがとう松村くん」
「あの後すぐ追いかけて行きたかったけど図書室閉めなきゃいけなかったし、でもすっごい心配してちゃんと施錠したかも覚えてないんだけどさ」
早口になる松村くんを見て面白くなって来てしまい吹き出す私。
「なんで笑うのさ、こっちは心配したのに」
「大丈夫、ありがと」
少し拗ねていた松村くんにも笑みが戻る
こんなに優しい男の子は初めてかもしれない。
「お二人さ〜ん、俺もいる事忘れないでね〜」
と、�眞狼錣燭里�よって松村くんの鋭いツッコミが入った所で私たちは３人で下校することにした。
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
