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23 運ぼうと思って。 ページ23
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すぐに立ちあがろうとしたけど、落ちる時に背中を強く打ってしまったせいか痛みで動けなくなってしまった。
静かな空間から大きい物音がしたからか、私の周りには他の生徒たちが心配そうな眼差しで声を掛けてくれる。
「大丈夫！？野坂さん！」
松村くんも駆け寄ってきてくれる
こんな情けない姿を見せて呆れさせてしまわれるのではないかと恐る恐る覆い被さっていた本を退ける。
「松村くん大丈夫、」
「怪我は！？どこか痛いところは！？」
「ほんと、大丈夫だからっ」
松村くんは私のおでこに触れる
「いっ、」
「ここ、赤くなってる…痛いんでしょ？」
私が何も出来ずにただ痛みを我慢していると松村くんの腕が私の肩を包み込んだ。
「ど、どうしたのっ」
「野坂さんを保健室まで運ぼうと思って」
そして掴まってと言わんばかりに私の腕を松村くんの首の後ろに回される。
顔は近くて、彼の吐息まで伝わってきてドキドキしてしまう自分がいた。
これって、お姫様抱っこ！？
時間がゆっくりと流れるように私はただただ松村くんに身を委ねようとしたその時
「ちょっと待って！！車イスの方が安全だからっ！」
と、クソデカボイスと共に車イスを持ってきたのは
見知らぬ女の子だった。
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
