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20 沢山教えてね、 ページ20
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キュンとするとかじゃなくて、なんでこの人たちは入学して間もない私に興味を抱くんだろうという気持ちが大きく膨らんでいった。
「なんで私なんか？って顔してるね」
京本くんがフッと笑って見せる。
なんて言ったらいいか分からない私と開いたままの口
「俺が一番なんで？って思ってるよ。でも知りたいんだよね、もっと君のことが。だから連、」
二人の間に流れる着信音
この相手は画面を確認しなくてもわかる
『Aちゃ〜んっ、どこにいるの〜？』
「いま戻るからっ」
慌てて電話を切ると京本くんは儚げに笑っていた
その表情の意味を私は知らないでいた。
「体育に戻らなくていいの？」
「京本くんこそ」
「俺はここで良いの」
「なにそれ。じゃ、京本くん連絡先教えて？」
「え？」
「同じクラスなんだし、一人でも私のこと気になってくれる人がいるのは嬉しいことだから。ダメ、かな？」
「ジェシーが嫉妬したりしないかな？」
「……私も京本くんのこと知りたいからじゃダメなのかな？」
恋愛感情なんかそんなすぐ芽生えるものなんかじゃないし
でも真っ直ぐに私をことを気になってくれているならちゃんと受け止める。
京本くんは嘘なんかついてないって分かるから。
そっとスマホ取り出してLINEのQRコードを表示してくれる京本くん
「これから沢山教えてね、Aさん」
呼び方が【君】から【Aさん】に変化した
私もいつか、【京本くん】から【大我くん】に変われるのかな…
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
