14 そういうことだから ページ14
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あの後どうなったかわからない。
なぜならば私はあの場を走って立ち去ってしまったからだ。
ジェシーくんには悪いと思っているけど、どうしようもなく恥ずかしくなって逃げたのだ。
告白されているところを風磨たちに目撃されてしまった
何故かそれが逃げる理由になったのだ。
走ってる最中も鳴り続ける着信音
絶対風磨からだってわかってる、わかってるから出ない。
出たら私、何て言ったらわからないんだもの…
気がつくと自宅とは正反対の交差点に来ていた
信号が赤で立ち止まると肩を叩かれた。
まさかもう風磨が追いついてきた？
振り向くとそこに居たのは同級生の、あれ名前なんだっけ…？
「こんな遅い時間に女の子一人だなんて危ないよ！？って、野坂Aちゃん？」
「えっと、」
「同じクラスの森本慎太郎。どうしたの、まだ制服だし」
「そういう森本くんだって」
「俺は愛犬と一緒に散歩中。そしたらうちの学校の制服着た女の子が走っていくのみたいだから気になって」
よりにもよって同じクラスの男子に見つかるとは…
「ちょっと道に迷ってね…、じゃそういうことだからまた学校で！」
「待って！」
早く家に帰りたいと思ったのに森本くんが進路方向を防ぐ
「Aちゃん家まで送ってくよ」
「大丈夫だから」
「迷ってるんでしょ？だったら近くまででも送るよ」
森本くんの温かい声に吸い込まれるかのように、差し出された右手に私の左手を置こうとした
「A、俺が送る」
低い声と同時に森本くんへ向けられていた手を弾かれる
「慎太郎、悪いな。そういうことだから」
「あ、ああ。じゃ頼むわ、風磨」
そういうことだから、じゃないよ？
なんで風磨がここにいるのよ！？
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作者名：珊瑚礁 | 作成日時：2024年1月8日 14時
