50話 ページ50
Qタロウ「オト、ネ……」
辺りは呆然とする。
Aから、今まで聞いた事のないほどのドスの効いた声に、混乱せざるをえなかったからだろう。
まぁ、声を出したのはオトネなのであるが…
『「いや、は?何言ってんのQタロウ。コイツらと手を組む?あんたやっぱ脳筋なの?」』
オトネは目から燃えるような憎悪を放っている。
『「仲間になれって……コイツらを信用しろって事だよね??は??無理に決まってんだろ」』
オトネはそう言って、ナイフをQタロウの喉元に向けた。
『「Aを殺そうとした奴と、仲間になれって……自 殺行為じゃん……なぁ?」』
ヒナコ「……」
『「ヒナタちゃんだって、この意見には賛成した様子ないじゃん?」』
ヒナコ「(ヒナコなんだけど……)」
オトネはゆっくりと、Qタロウの元へ足を進める。
『「何かを守りたいなら、何かを犠牲にするのは当たり前。ほんと、アホらしい」』
ギン「そ、そんな事ないワン!!」
『「あ゛?」』
突然声を出したギンに、オトネは視線を移した。
ギン「ッ!……だ、だって何かを守る事で、何かを犠牲にした事なんてないニャン!!」
Qタロウ「ギン……」
『「……ぷっ、あっははははははは!!!」』
この場にオトネの大きな笑い声が、響き渡った。
ケイジ「……何がおかしい」
ケイジが真剣な顔をしながら、オトネを見た。
『「あっはは!いや、ごめんてwだって、その子……あーギンだったね。ギンが´´何かを犠牲にしたことがない´´なーんて言い出すもんだからさーwww」』
ケイジ「……」
『「犠牲にしたことがないって言うならさ……アイツらはどうなの?」』
Qタロウ「アイツら……?」
Qタロウが確認するようにオトネに聞き返すと、オトネは嫌な笑みを浮かべて、言った。
『「……´´ゲームで死んでいった奴らだよ´´」』
サラ「!!」
カンナ「ッ!」
オトネがそう言うと、場に重苦しい空気が流れる。
『「あれ?どうしたの?ねぇなんで黙ってるの?教えてよ、ギ〜ンくん??あははw」』
ギン「ッ、……ぅ!」
ギンは何も言えない悔しさからか、今にも涙を零しそうであった。
『「あれれ?泣いちゃうの??……そんなだから無理なんだよ」』
そんなだから、何も守れない。
『「(ウザいなァもう、いいか)」』
オトネはナイフを握る手をグッと強くした。そして、そのナイフをQタロウに向かって投げようとした時だった。
サラ「……それは、違う!!」
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すとぷり好きあまね - ...めっちゃくちゃすごい。作者さん、神です。 (2021年5月4日 15時) (レス) id: 52d0502609 (このIDを非表示/違反報告)
猫ちゃ - ヒナタちゃん、新キャラかな?(49話の最初の方】 (2020年11月5日 19時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
楽色(ライ) - オトネ…かっこいいですねー!!惚れた… (2020年11月1日 21時) (レス) id: 0ad1039367 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 匿名さん» 匿名様、本当にありがとうございます!!いよいよ最終章でめちゃめちゃ悲しいです。これからも更新頑張るので、楽しんでいってくださいね!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 爽♪*?* 様、ありがとうございます!!凄い好きだなんて、作者は言って貰えてとてもめっちゃ嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トギリ | 作成日時:2020年9月6日 10時