44話 ページ44
『(ここは……?)』
案内された所は暗く、やっと人を認識できる程の光しかなかった。
『マイさん、本当にこんな所に仕掛けがあるんですか?…………マイさん?』
呼びかけても返事のないマイさんに疑問を抱いた私は、後ろを振り返った。その時だった。
ガンッ!!
『なッ……!?』
突然、頭に鈍い痛みが走った。この感覚は知っている。2度目のゲームの時に、ミドリが私の頭を殴ったのと、一緒だ。
『なに、を……』
私は頭の衝撃で、地面へ倒れ込んでしまった。
マイ「……」
私の頭をやった当の本人は、変わらない笑顔で私を見下ろした。
『ど、して……』
マイ「……」
マイさんは何も言わず、部屋から出て行ってしまった。
『ま、て……』
私は必死にマイさんへ手を伸ばしたが届かず、私の意識は、そのまま暗闇へと落ちていった。
・
・
「……て」
(『……』)
「…きて」
(『?』)
暗闇の中で、私の手を握る誰か。
「…起きて」
(『誰?』)
暗闇は、その声をが大きくなるにつれ、どんどん晴れていく。
「起きて……!……ん!」
(『懐かしい……声』)
その声は、握る手を強くする。
「起きて……!!ぇさん!!」
(『この声……』)
「起きて!!姉さん!!!」
(『まさか……!』)
「姉さん!!!」
闇が晴れた空間で、私の手を握っていたのは、愛おしい、弟だった。
「起きて!!姉さん!!Qタロウさんが危ないよ!!」
(『そうだ、私……』)
「早く!!助けて!!!姉さんしか、いないんだよ!!」
・
・
『っ……!!』
どれくらい寝てた?5分?1時間?……いや、そんな事を考えるのは後だ。
私はズキズキと痛む頭を抑えながら、体を起こす。
『早く、Qタロウさんのところに行かなきゃ!』
ありがとう、優斗。姉ちゃんを起こしてくれて、本当にありがとう。
何とか墓地のの所まで足を進めると、マイさんとQタロウさんはいた。
『ぁ……』
だが、私は遅かった。
Qタロウ「ぐ……!」
Qタロウさんは、血を流して倒れていた。
『何、してるんですか……?マイ、さん……』
自然と、口から言葉が出てきた。
『その人、Qタロウさん……ですよね?』
マイ「あはは……ごめんね?Aちゃん」
マイさんはそう言って、Qタロウさんを刺したナイフをこっちへ向けて
マイ「……」
走ってきた。
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すとぷり好きあまね - ...めっちゃくちゃすごい。作者さん、神です。 (2021年5月4日 15時) (レス) id: 52d0502609 (このIDを非表示/違反報告)
猫ちゃ - ヒナタちゃん、新キャラかな?(49話の最初の方】 (2020年11月5日 19時) (レス) id: bf60227ed4 (このIDを非表示/違反報告)
楽色(ライ) - オトネ…かっこいいですねー!!惚れた… (2020年11月1日 21時) (レス) id: 0ad1039367 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 匿名さん» 匿名様、本当にありがとうございます!!いよいよ最終章でめちゃめちゃ悲しいです。これからも更新頑張るので、楽しんでいってくださいね!! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 爽♪*?* 様、ありがとうございます!!凄い好きだなんて、作者は言って貰えてとてもめっちゃ嬉しいです!!これからも頑張ります! (2020年9月6日 23時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トギリ | 作成日時:2020年9月6日 10時