69話 ページ33
「もちろんだ」
『「!?」』
オトネは下げていた頭を勢いよく上にあげた。
『「今……なんて、」』
サラ「もちろんだ…って言ったんだ」
『「サラちゃん……あんた馬鹿なの?私は君を殺そうとしたんだよ?なんで?なんでそんな事言うの?他のヤツらは私を……」』
公開処刑したのに……
許さないって言って、殺せと叫んで、あの子を返せと、皆がみんな……私を恨み、私の死を望んでいた……なのに、どうして君は……
その時、ふと母が言っていた言葉が頭をよぎる
「オトネ……神様はね?皆を愛しているのよ……もちろん、あなたもね」
どうしてその言葉が浮かんだのかは分からない……でも、何故だろうか。サラちゃん……羨ましくて羨ましくてたまらない君が……とても、
『「(殺したくないって思うよ……)」』
(ね、?そうでしょ?)
脳にその言葉がこだまする。
『「A……」』
(なに?)
サラ達は、私がいきなり話し出したので一瞬驚いていたが、サラが「恐らく、Aと喋ってるんだと思います」と言ってくれたおかげで、周りは静かに私達を見た。
『「私は…どうしたら良かったのかな?」』
(は?なんで私に聞くの)
『「だって……分かんないもん」』
(いきなり可愛い子ぶんな、サイコ)
『「うるさい……ねぇ、A」』
(今度は何?)
『「私…愛されたかったの」』
(うん)
『「私、愛が知りたかったの」』
(…うん)
『「私、愛が欲しかったの」』
(……うん。私も)
『「でも、結局貰えなかった」』
(そうだね。あんたは奪う事しかできなかったから)
『「うん。……それしか、思いつかなかった」』
(サラちゃんを見てみなよ)
『「え、なんで?」』
(いいからさっさと見ろサイコ)
『「サイコ、サイコ言わないで……」』
オトネはAに言われた通り、サラを見た。
サラ「?」
『「……」』
(サラちゃんのさっきの言葉……嘘を言ってるように見えた?)
『「……ううん…見えなかった」』
(だろうね。なんで嘘じゃないと思う?)
『「わかんない……教えてよ」』
(あんたを心の底から助けてたいと思ったからだよ)
『「……それが分からない。なんで?」』
(お前さっきら、なんで、なんでってさぁ……知りたいなら本人に聞けよバカ)
『「……分かった。ねぇ、サラちゃん」』
サラ「なんだ?」
『「どうして…私を助けようとしてくれるの?」』
サラ「……オトネが私やカンナ達に刃を向けた時、お前の眼は確かに狂気そのものだった……でも」
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Rukia (ゆっくりゆる) - な、なんで……ソウさん×すんっ?! いくら面白くても許せんわ(誰目線) (2021年2月27日 18時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!課題!!もう頑張りました!!これからも更新頑張りますね! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 桜彩さん» ありがとうございます!!楽しみだなんて言って貰えて作者は禿げることしか出来ません(??)!! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - トギリさん» お帰りなさい!!(( 課題お疲れ様でした!更新嬉しいです…! これからも応援してます! (2020年8月31日 23時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年8月31日 22時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トギリ | 作成日時:2020年7月28日 18時