79話 ページ43
ハンナキーはそう言って、サラちゃんにボタンをわたした。あの時と、ジョー君の処刑の時に使ったボタンと、同じものを。
もちろんサラちゃんはそれにすぐ気がついた。
だが、それは……サラちゃんが思っていたボタンとは、また違った物なのだ。
ハンナキー「これは……即死スイッチです。長く苦しませたくなければ…押すしか…ありません……始まります」
ハンナキーのその言葉と同時に、ナオさんの手足……そしてお腹が拘束された。拘束される時、ナオさんは一切抵抗しなかった。
そして、お腹の部分の拘束具が……ナオさんの体を締め上げる。
ナオ「ぐっ、ぁ……!死に、たくない!」
口とお腹から、徐々に血が滴り落ちる。
ぴちゃ、ぴちゃ……びちゃ
ナオ「い、やだ……おさ、、ないで!」
不規則に流れ出す血は、本人の意志とは関係なく流れていく。そしてその血の量は、締め上げる強さが強くなればなるほど……増していく。
ナオ「しに、た、、く、、、な、、、」
ナオさんの肩が、息苦しいさで激しく動く。だがそれは、終盤に近づく程、ゆっくりと減速していった。
……そして、
ナオ「……………………」
ナオさんは、事切れた。
サラ「あ…ああ……ああぁぁぁ……」
サラちゃんは、押せなかった。ボタンを1度も押せず、ただただ見ていた。最前列で……ナオさんの死が最も目の当たりにできる、特等席で。
サラ「私は、また…守れなかった……また……死んでしまった……うぅぅ……うううぅぅ……!!」
そう言ってサラちゃんは、綺麗な紫色の瞳から大粒の涙を出す。
ハンナキー「次は…ソウさんです」
サラ「ま、待って…!!もうやめて!!お願い、ハンナキー!!」
サラちゃんはハンナキーの前に出る。
ハンナキー「…どいてください…装置の作動を……」
サラ「ソウさんを……仲間を殺さないで…!!頼むからぁ……!!」
ソウ「……仲間…か……あはは…くだらない…くだらないよ……」
ソウさんは頭を抱える。
ハンナキー「もう、言い残すことは……ありませんね。処刑を…開始いたしま……ソウ「僕は死なないよ」……え、?」
ソウ「お前達の思い通りになるもんか」
そう言ってソウさんは、私たちについてある首輪を外した。この事に、ハンナキーや他の人達は驚きを隠せないでいた。……私を、除いては……
『っ、……』
ハンナキー「首輪が……!?」
サラ「なっ……!?」
ソウ「出口は……あっちか……!」
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Rukia (ゆっくりゆる) - な、なんで……ソウさん×すんっ?! いくら面白くても許せんわ(誰目線) (2021年2月27日 18時) (レス) id: 2e12baa0e6 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 匿名さん» ありがとうございます!課題!!もう頑張りました!!これからも更新頑張りますね! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 桜彩さん» ありがとうございます!!楽しみだなんて言って貰えて作者は禿げることしか出来ません(??)!! (2020年9月2日 22時) (レス) id: 735f3d0df8 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - トギリさん» お帰りなさい!!(( 課題お疲れ様でした!更新嬉しいです…! これからも応援してます! (2020年8月31日 23時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
桜彩 - 続きが楽しみです!頑張ってください! (2020年8月31日 22時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トギリ | 作成日時:2020年7月28日 18時