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空港に着いて、少し探すと居た。顔の濃い彼は遠目からでもすぐ分かる。
「おっす」
スマホをいじってた潤に声をかけたら、顔が上がってこちらを見た。
「すごい荷物ですね、お兄さん」
「そりゃ半年ですからね、お姉さん」
私は、持ってきたビール缶を渡す。
「は？なにこれ」
「ビールだよ」
「そんなの見れば分かるけど」
「着いたらホテルで飲んでくださいよ、お兄さん」
バーで言う、あちらのお客様からです。ってやつよ。って言うと、どういうやつよ？と笑われた。
「あー私も潤と飲めないのは寂しいなー」
「…」
「半年誰に付き合ってもらおうか」
「お前、1人で飲むなよ？」
「分かってるよ」
俺も、半年誰に付き合ってもらおうか。と呟く。
「やっぱ名コンビだな、俺たち」
「そうだね」
「帰ってきたら、とことん付き合えよ」
「もちろん」
そろそろ時間じゃない？と言うと、そうねと言って立ち上がる。
「お土産よろしくね」
「はいはい」
「気をつけてね」
「うん」
じゃあねー、と2人とも軽いテンションで別れる。
潤が中に入っていくまで、見つめていたら、思い出したように潤がこちらに戻ってきた。
「何？なんか忘れ物？」
うん、と軽く言った潤は、私を抱きしめた。
「…え？ちょ、見られてるよ…！」
でも、ハグ程度。私がそう言うと、離れて「だからお前はズレてんだよ(笑)」と笑顔で中に入っていった。
私の周りがなんだかザワザワしてる。そう、潤がイケメンだから私が見られてるんだ。
いつもは気にしてたけど、なぜか今は気にならない。私の心臓がうるさく鳴ってる。
「、…」
え、私…どうした…？今更、男として意識するようになったの？いやいや、まさか。いやでもじゃあ、このバクバク鳴ってる心臓は何？いきなりハグされたから？そんなの昔はよくやってたじゃん。お互い何かあった時、慰める時に肩をポンポン叩いてたじゃん。
「…帰ろう」
とりあえず帰ろう。その場所から離れたら治まるかもしれない。と思ったけど、治まらなかった。そんな自分にビックリした。自分が潤のどこに、心臓が反応してるのか分からない。今までずっと一緒にいたのに。いや、一緒にいたから分からない。
私の中で、潤に対しての気持ちが変わったらしく、私は彼に気軽に連絡が取れなくなった。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
