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そんな彼と過ごして、１年が過ぎた。
今は彼の家に同棲している。
今日は休みの日だけど、どこにも行かないで家でダラダラ。
ソファに２人で座ってテレビを見てた。だけど、静かだなと思って見たら智くんは口をうっすら開けて眠ってた。
この間に晩ご飯の買い出しに行くか迷う。
本当は２人で行きたかったんだけどな。
「智くん」
腕をポンポン叩いたら、瞼がうっすら開いて焦点の合ってない目でこちらを見た。
「私、夕飯の買い出しに行ってくるけど、智くんはどうする？」
「...」
「寝とく？」
「...行く」
思ってた返事と違って、行くの？って逆にまた訊いたら「行く」と言いながら立ち上がる。
そのままこちらに歩いてきて、彼の体重が全部私の体に乗っかるように抱きついてきた。
少しよろける。
「重っ」
「ねんむい」
「フフッ、寝てたら？」
「行く」
スーパーで必要なものを買って、家に帰ってくるともう晩ご飯の時間ピッタリなのに
夏だからか外は全然明るくて。
外の明るさだけ見ると、おやつの時間くらいな感覚。
「あっつい、エアコンのリモコンどこ」
智くんはソファの上に置いてあったリモコンを取って即座に電源を入れた。
すると、突然エアコンを見ながら智くんがこんな事を言い出した。
「エアコンって偉いよね」
「偉い？」
「お酒も偉いよね」
「そーゆう『偉い』かぁ(笑)」
確かに、偉いね。無かったら生きてけないわ。
今日の晩ご飯は、智くんの提案で冷やし中華になった。
「うめ」
「やっぱり夏は冷やし中華だねー」
「冷やし中華も偉いね」
「フフッ、偉いね」
こんな普通の日々がとんでもなく幸せで。
智くんと一緒にいられる時間が、とっても幸せだった。
ある日の、仕事終わり。
不在着信2件。智くんからだった。
今日は仕事が忙しくて、全然気づかなかったみたい。
職場から出て、かけ直す。
無機質な音がずっと響いて、彼の声に変わる気配はない。
「あれ...」
おかしいな。お風呂にでも入ってるのかな。
駅に向かって歩こうと、顔を上げたら
「Aさーん」
と、少し離れたところに智くん。
「えっ、智くん」
「んふふ、びっくりした？」
「うん、びっくりした...」
「たまには一緒に帰るのも、いいじゃん。ついでにデートでも」
今日は智くんは休み。帰り道に寄ってくれたって訳じゃなくて、家からわざわざ迎えに来てくれたみたい。
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さんご(プロフ) - しおりさん» はじめまして、しおりさん。コメントありがとうございます。そんなこと言って頂けるなんて、もう嬉しい限りです(笑)こちらこそありがとうございます(´ω｀) (2019年9月21日 12時) (
レス) id: e1b1cf4c3f (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして。どのお話も優しくて、心が温かくなりました。さんごさんの丁寧な言葉の紡ぎかた大好きです。多分何度も読みに来ちゃうやつだ(^^)ありがとうございます。 (2019年9月21日 7時) (レス) id: 072c120661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんご | 作成日時：2019年8月15日 16時
