【wrwrd】無能に扮して (ページ10)

今日:6 hit、昨日:6 hit、合計:102,504 hit

8 ページ10

ア｢ネ、ネル、これは何処で...！？｣

顔を輝かせてネルに訪ねるアイル。なかなか見れないその表情に萌えながら、私もネルの方へ体を向けた。

｢これは何処で売っているのか｣、それは私も是非聞きたい。

グルさんも、陛下も好きそうな味だ。
お土産として渡したら喜んでくれるだろう。

ネ｢これはですね、私の母が作ったんですよ！！｣

｢え！？｣

驚いた。
聞けばどうやらこの要塞のある都市と、皇帝の居わす王都の中間の小さな町。そこでネルのお母さんはお菓子屋を営んでいたらい。

これは直接行って、定期的に買わせて貰えないか聞いてみるしかないわ。

ア｢...いつか、会いに行かせて貰えませんか｣

｢私も行ってみたいです！｣

ネ｢勿論です！！行きましょう！きっと母も喜びます！！｣

ア｢でも、私達がA様と休みが合う日なんてあるんでしょうか...｣

ネ｢あ...そうですね...｣

｢んー....｣

あ、そうや。

｢お二人とも、一週間の間に大きな仕事は任されていませんか｣

ア｢私もネルも、そういった仕事は無かったはずですが...｣

ネ｢ありません！でも、どうして...？｣

グルさんに頼まれていた仕事について二人に話した。
５日後に船で荷物を運ぶ。その際に王都の港から船を出すのだが、そこまでは車で向かうため、その途中にあるネルの故郷も通るのだ。

｢だから、その時一緒にいきませんか？｣

ア｢えっ、いいんですかそんな、だって、｣

動揺するアイルとネルに、少し笑ってしまった。

｢あなた達の役職はなんですか？｣

ア｢め、メイドです｣

｢誰の専属の？｣

ネ｢A様の、専属で...｣

いいですか、と私は二人を宥めるように続けた。

｢貴女たちは私の専属メイドです。今はまだ城の雑務も手伝っていますが、それでも本当の役職は私の専属。つまり、私と一緒に同行する権利がある。行くも行かないも貴女たちの自由です｣

外出については私が総統に直接聞きましょう、と付け加える。まぁ聞くもなにも、二つ返事でOKが返ってくるのだが。形式は大事だ。

目を見開いて私を見る二人。そのまま顔を見合わせたかと思うと、二人一緒に｢行きます｣と満面の笑みで返事をした。

｢なら決まりですね！帰りはそのまま車で帰ると良いです｣

ア｢ありがとうございます、A様｣

ネ｢母もきっと喜びます！！｣

｢いえいえ｣

私達はそのまま紅茶とクッキーが無くなるまで談笑を続けた。

いつの間にか1000hitです
有り難う御座います!