【wrwrd】無能に扮して (ページ44)

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グ「どういうことやねん、説明せえ」

ここは医務室。昨夜と違うのは、目の前に椅子が二つあって、片方の椅子に真っ黒なオーラを放つどこぞの総統サマがすわってらっしゃることかな。もう片方の椅子はこの部屋の管理人である軍医さんがほんの少し困った様子で座っている。

「総統閣下はそうとうカッカされているようで...」

グ「やかましいわ！！はよ、はよ説明しろよ...！」

思いつきのダジャレをかましたら笑いながら怒られた。しんぺいさんは笑いながら今にも椅子から崩れ落ちそうになっている。なにをそんなわらっているんだとつられて笑ってしまっている総統に注意されていた。しんぺいさん曰く、つまらなさすぎて笑ってしまっているらしい。失礼なやつやな。

さて、ふざけすぎても怒られるだけだ。そろそろ話さなければならないだろう。
だが、時間的に余裕がない。

「はぁ…分かったよ。でもまず、朝ご飯食べに行こうや。そろそろ時間やで？」

グ「お前、そういうて逃げる気とちゃうやろうな？あ？」

こわあい顔して威圧的な表情をしてこちらを睨む総統。目力つよっオーラこわっ。

「逃げんよｗちゃんと説明したる。だからはよ行こうや」

グ「お前絶対やからなっ！？言えよ約束やぞ！？」

「わかったわかったって、言う言う」

ほらはよ行くで、と捻ったせいで痛む足を引きずりながらいまだにうだうだ言っている総統閣下を引っ張って廊下を急ぐ。しんぺいさんはけらけら笑いながらついてきてた。

そうして歩いているうちに両開きの無駄に重そうな扉の前に来ていた。食堂だ。グルッペンが見た目通り重い扉を開ける。彼は途中まで引きずられていたが足を引きずっていることに気付くと、不満そうな顔をしながら自分一人で歩き始めていた。

開けられた扉、そこから入ってきた自分たちの総統と軍医に笑顔を向けていた十数人の男女は、しんぺいさんに隠れるようにして入ってきた私を見ると、数人を除いて一気に表情をくもらせた。
いや、その数人も、周りとは違った意味で表情をゆがめていたかもしれない。

ロ「A！おは…ってお前なんやその傷！」

エ「また新しく傷が…」

せっかく席についていた二人は立ち上がり、テーブルから身を乗り出してきた。ロボロに至っては一瞬で走ってこっちまで来ていた。

「大げさやなあ。なんでもないで」

シ「はっ、どーせその無能のことや。階段でこけたんちゃうん」

煽りポメラニアンが笑いながら言う。大正解で草。