ドフラミンゴ【リクエスト】 ページ39
鳥籠の中の鳥。
羽ばたく事も出来ず、ただ…虚しく囀るだけ。
夜には月明かりも入って来ない暗然たる部屋。
ここが、私の生きる世界。
眠れない夜には唇から自然と歌が零れる。
どれ程、外の世界を知りたいと願っても叶う事はない…それでも私は願い続けたい。
ドフィ「フフフフフ。なんだぁ？歌声が聞こえると思ったら…おい、女。お前、こんな所で何してやがる？」
唐突に開かれた部屋の扉。
…開かれる事はもうないのだと思っていた扉。
ドフィ「聞こえなかったのか？」
A『あ…わた…し…』
歌う事で保たれていたと思っていたはずだった声も、いざとなってはまともに発する事も叶わず。
歌と会話では喉の使い方がまるで違うのだと認識した瞬間だった。
ドフィ「もういい」
冷たい声質が聞こえたと同時に私の身体が宙に浮く。
扉を開けたこの派手な男の人の脇に抱えられたのだとすぐに気付き、驚きが隠せない。
ドフィ「おい、暴れんじゃねぇよ。お前…こいつらに飼われていたんだろう？」
目の前には久しぶりの強い光…と赤く染まった部屋に転がる無数の死体。
この人が言った「こいつら」と言うのは目の前に転がっている人だったものの事らしい。
思いもよらない光景に感情の整理が追い付いてこない。
「う…ジョーカー…許し…」
微かに聞こえた私を買った男の声。
ドフィ「売上金をちょろまかし、俺をコケにした野郎を許す？フフフ…てめぇの脳味噌の中は花畑か？」
「も、もうしないと誓う！…A？てめぇ…どうして…」
ジョーカーと呼ばれた男に抱えられた私を怪訝な顔で見る男の顔は血に塗れ…正直、汚いと…そう感じた。
ドフィ「フフフフフ、面白い…A、この男を殺せ。そうすればお前の命を救ってやろう」
笑い声と共にドサリと地面に落とされた。
この男を殺す？私が？
「A！やめてくれ！！頼む！助け…」
刹那。
何の迷いもなく広い上げたナイフで男の体を貫いた。
恨み憎しみを込めて一心不乱に男に何度も何度も増悪を突き立てる。
ドフィ「もうやめておけ、お前は合格だ。何の躊躇いもなく人間を殺せるとはな…フフフ、良いだろう。お前を俺のファミリーに加えてやるよ」
私の鳥籠の扉は突然開かれた。
そしてまた…新たな鳥籠へと…。
ドフィ「それにしてもお前の歌だが…下手過ぎじゃねぇか？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 33人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三月兎(プロフ) - アスカさん» 嬉しいコメント有難うございます(*´ω`*)！リクエスト頂けるだけで嬉しい限りですので、楽しんで読んで頂ければ幸いですっ♪ (2021年1月15日 19時) (
レス) id: ccf41c5869 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - いえいえ！とても楽しみにしてました！リクエストに答えて書いていただき、ありがとうございます！ (2021年1月14日 23時) (レス) id: cd30bf2e89 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - アスカさん» 大変お待たせ致しました(´；ω；｀)！こちらの短編がもういっぱいになってしまったので新しくPart3にてUPさせて頂きました！！長らくお待たせして申し訳ございませんm(_ _)m (2021年1月14日 18時) (レス) id: ccf41c5869 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - アスカさん» こちらこそ嬉しいコメント有難うございますっ(*´ω`*)！！ペドロですね、かしこまりました！出来る限り早くアップしたいと思いますのでもう暫くお待ち下さいませ！！ (2020年12月29日 14時) (レス) id: 44b29c4604 (このIDを非表示/違反報告)
アスカ(プロフ) - 好きなキャラに限ってこういった作品が少ないので、今回読めてとても嬉しく思っています！これからも頑張ってください！それから、リクエストで、ペドロをお願いしてもよろしいでしょうか？ (2020年12月29日 0時) (レス) id: cd30bf2e89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三月兎 | 作成日時：2020年8月21日 15時
