夢主さん、ようこそ万国へ (ページ49)

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餅との日々49 ページ49

「大丈夫かよ？」

脳内はな…クラッカーさんが私に話しかける。

『え？あ、はい。大丈夫です』

「フランペはカタクリの兄貴にベタ惚れしてんだ。ファンクラブまで作ってやがるくらいにな」

あぁ…だからあそこまでの憎しみを私に…。
凄まじい程の怒りの目を私に向けていた。

『それで…クラッカーさんが私に用事って？』

「あ？用事なんてねぇよ。あぁでも言わなきゃあいつ、お前にずっと付き纏ってただろうからな」

クラッカーさんが、私を助けてくれた？

『あ、あの…助けてくれて有り難うございます！』

ペコリと頭を下げてクラッカーさんを見ると…引いていた。

「チビ女に礼言われるとか…気持ち悪ぃ」

本当にどこまでも失礼な人だな！！

『私だって素直にお礼くらい言いますよ！それに私はチビ女ではなくAという名前があります！』

「ふーん…」

今度はクラッカーさんにジロジロと見られる。

「面白い奴だな、お前。なぁ、一つ提案がある」

提案？
首を傾げるとクラッカーさんがニンマリ笑う。

「カタクリの兄貴が仕事でいない間、俺がボディーガードしてやるよ」

『…結構です』

「人の話は最後まで聞けよ！！…んで、俺がボディーガードしてやる代わりにお前の世界の話を聞かせろ」

私の世界の話を…？
クラッカーさんが何を考えているのかさっぱりわからない。
怪訝な顔をしてクラッカーさんを見る。

「何だよ。俺がお前の世界を知りたがるのが不思議か？こう見えて俺は勉強家なんだぜ？ま、カタクリの兄貴がどうやったらお前に惚れる事になるのか知りてぇだけだけどよ」

カタクリさんが私とお付き合いしている事がそんなにも不思議なのか…。
いや、まぁわかるよ。
ずっと憧れていたクールで無敵で完璧なお兄さんが知らない世界に行っている間に女に甘い男になっていました。
だなんて…信じたくない話だろうし。

「それに、フランペは相当お前の事を嫌ってる。出来る限り1人で出歩かない方が賢明だと思うがなぁ？」

う…確かにそうかも。
カタクリさんに心配も迷惑もかけたくないし、問題は起こさないって約束もした。
となると既に今日危ない目にあっている訳だから…1人で出歩くのは避けた方が身の為だろう。

『わかりました。クラッカーさん、ボディーガードよろしくお願いします』

「そーこなくっちゃな！！」

クラッカーさんの楽しそうな笑顔とは対照的に私の笑顔はぎこちない。