夢主さん、ようこそ万国へ (ページ47)

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餅との日々47 ページ47

着替えながら肩口の赤い痕を撫でる。
私はカタクリさんのモノ…幸せ。

部屋に戻るとカタクリさんがベッドの上で横になっていた。
珍しい…梯子を登りベッドの上に行くとカタクリさんは目を閉じて完全に寝てしまっていた。
疲れたんだろうな…普段の自分をひた隠しにして完璧を演じ続ける事。
それに加えて今日は私の存在もあったし。

私から見えるカタクリさんは、常に冷静なんだけど時々テンパるし、天然ボケをかましてくる事だってある。
クールで口数は少ないけど、その分笑った時の顔はとても可愛い。
私だけが知っているカタクリさんの顔。

頬に手を当ててみるも反応なし。
余程疲れたのかぐっすりらしい。
カタクリさんの隣の空いているスペースに寝転がり私も目を閉じる。
落ち着くんだよな…カタクリさんの側は…私まで眠気が来てしまう。
んー…シャワー浴びてない…明日でいいか。
今はカタクリさんの隣に居たい。

「A、起きろ」

『んんー…カタクリふぁん？』

目を開けると濡れた髪をタオルで拭いているカタクリさんが目の前にいた。

「今日は警備の為、海に出なければならない」

『んー…朝…？朝！？』

私の大声にビクッとカタクリさんが驚いた。

「あぁ。昨日は２人して早々に寝てしまったようだな」

『カタクリさんはもうシャワーを浴びたんですね』

「もうすぐ、出る時間だからな」

私は後でゆっくり浴びるとしよう。

「再度確認するが…本当に1人で大丈夫か？」

『大丈夫ですからお仕事頑張って来て下さい！！』

「なるべく早く帰れるようにはする」

髪を拭き終えたカタクリさんが私のおでこにキスをしてジャケットを羽織り部屋から出ようとしたので後を追いかける。

『カタクリさん！いってらっしゃい！！』

「あぁ、行ってきます」

優しい微笑みの後、扉が閉まる。
………静かになった部屋。
さてと、私もシャワー浴びますか。

シャワーを浴び終えて髪をタオルで適当に乾かしながら今日は何をしようかなと考える。
普段はカタクリさんに抱っこされて移動する城の中を自分の足で冒険してみようか…。
そうしよう！よし！1人で何でも出来るようにならなきゃね！！
髪もほぼ乾いたので着替えて、梯子を使って部屋の扉を開ける。
いつもとは違う目線で部屋の外に出てみると何だか変にワクワクした。