夢主さん、ようこそ万国へ (ページ35)

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餅との日々35 ページ35

ふぁぁ…。んー！っと伸びをして目を開ける。

「おはよう」

『おはようございます』

朝起きてすぐにカタクリさんの優しい声が聞ける幸せ。
ついニヤニヤしてしまう。

「今日はペロス兄が部屋の改築に来る予定だ」

顔を洗ってきたらしいカタクリさんがまだベッドの上でボケーッとしている私に伝える。

『あ、そうだ。部屋の改築準備に来たペロスお兄さんにカタクリさんへの伝言を頼んだんでした』

「らしいな。ペロス兄から聞いた」

ペロスお兄さんがカタクリさんに私の気持ちを伝えてくれたお陰で私達はまたこうして一緒にいられるのだ。
ちゃんとお礼をしなくては！

『カタクリさん！私も顔洗って準備します！』

顔を洗うのを手伝ってもらい、服を着替えて準備万端。

『ペロスお兄さんはいつ頃来られるので？』

「わからん。ペロス兄は多忙だからな、適当に時間を作って来るだろうから今日は城の探検はなしだ」

『あいあいさー！』

椅子に座っているカタクリさんの手には新聞。
そう言えばいつも新聞を持っている気がする。

『カタクリさんって新聞がお好きなんですか？』

「好きと言う訳ではない。だが、世界の情勢を毎日見ておかないといざと言う時の対処が出来ないからな」

真面目だ。
私の前だからこそちょっと天然な部分だったり、笑顔だったりを見せてくれるけれど、基本的に皆んなが知ってるカタクリさんはこの真面目なカタクリさんなんだよな。
いつでもペロスお兄さんが来ても良いように口元ももう隠してあるし。

コンコンコン。

「早かったな」

カタクリさんが扉を開ける。

「やぁ、おはよう。無事仲直りが出来たようで何よりだな、ペロリン♪」

「ペロス兄、自分の仕事は大丈夫なのか？」

「心配は無用だ。改築を始める前に…これを先に渡しておこうか」

梯子だ！！
凄い！伸ばし縮みも可能になってて、動かし易いようにキャスターまで付いてる！！完璧だ！

「ちゃんと鉄を混ぜて作ってあるから強度もバッチリさ、ペロリン♪」

お風呂場に向かったペロスお兄さんを追いかける。
ペロスお兄さんが持っているケインを振るとみるみる内に浴槽やシャワーが出来上がった。

『ペロスお兄さん、これ水やお湯はどうやって…』

「くくくく…企業秘密だ、ペロリン♪でも心配いらないよ？問題なくちゃんと水もお湯も出る」

うーん。なんて万能な(都合の良い)能力だ。