夢主さん、ようこそ万国へ (ページ3)

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餅との日々3 ページ3

恐怖のあまり固まってしまった私にカタクリさんが話かける。

「安心しろ。俺も一緒にママの所へ行く」

ダラダラと冷や汗が止まらない中ダイフクさんが意地悪い顔をする。

「今日のママの機嫌が良いといいなぁ？」

もし、機嫌が悪かったら…私はどうなるのでしょう？
サーっと血の気が引く私に先程とは違う味のチョコレートを手渡してくれたカタクリさんがダイフクさんを睨む。

「A、一先ず、ママの所へ行こう。そうしないと何も動けない」

『は、はい～』

カタクリさんが私を抱っこして立ち上がり歩き出す。
この抱っこの状態がデフォルトになりそうな気がするのだけど…。

「くくくく。良い結果になる事を祈っておくよ、ペロリン♪」

「おう、頑張れやー」

くそー！ペロスお兄さんもダイフクさんもひと事だからってー！！！

長い廊下。高い天井。
私を抱っこしてカタクリさんはひたすら歩く。

『カタクリさんって私の世界だと本当に縮んでたんですね？』

「何だ。信じていなかったのか？」

『そりゃあ…私の世界では2mの人ですら希少ですし』

「こちらの世界では俺の身長は5mを超えている」

5m…縮んだっていうレベルじゃないじゃん！！

『ダイフクさんも同じくらい大きかったですし、ペロスお兄さんもカタクリさん達程ではないにしろかなり大きかったですよね…こちらの世界の人達は皆んな身体が大きいのですか？』

「いや、そんな事はない。A程の身長の人間もたくさんいる。こちらの世界の種族は多種多様だからな」

良かった。一安心。
皆んなして身体が大きかったら私いつか踏み潰されるんじゃないかと不安になる所だった。

「ママは俺より更に大きいぞ」

……何から何まで規格外の人なんだな。
会うの怖いよぉ！！

『でも変ですよね？カタクリさんは私の世界に来たら縮んだのに、私の身長はこっちの世界では変わらないなんて』

「それもそうだな…」

２人でうーん？と頭を捻るも現実は変えられないのだから仕方ない。とポジティブに考えて行こう。

「着いた」

えぇ！？急だな！！
カタクリさんが扉に向かって「ママ、カタクリだ。少し話をしたい」と話すと、扉に描かれていたと思っていた顔が「ママにお伝えしますわ」と喋った。
うわー…メルヘンな世界。
すぐに「入っても良いそうです」と扉から返事が返ってきた。
カタクリさんがその重そうな扉を簡単に片手で開く。