夢主さん、ようこそ万国へ (ページ11)

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餅との日々11 ページ11

美味しい料理を食べ終えて大満足だ。
ふかふかのソファでゴロゴロする。
食べたすぐ後に横になると牛になる？
頭でそうは思ってもこのふかふかさに抗えない！

「A、シャワーはどうする？あちらの世界の時のように朝で良いのか？」

『んー…カタクリさんの後に浴びても良いですか？』

あ、眉間に皺。

「遠慮をしているのだろう？」

『ち、違いますよ！カタクリさんの後をルーティーンにした方が規則正しい生活出来ると思って』

本当に気付いて欲しくない事には鋭いな。
黙ったまま私を見下ろすカタクリさん。
上からの圧力が苦しいです。

「はぁ…わかった。頑固さも変わりないようだ」

頑固さで言えばカタクリさんの方が上でしょうに！！

「ならば、先に浴びてくる」

『いってらっしゃいませ』

「そういえば…Aの世界にあったテレビはこちらの世界にはない。退屈だろうが本棚に多少の本は置いてある。暇潰しになれば良いが」

あ、そっか。
私の世界の時ではテレビを一緒に見る事が当たり前になっていたんだっけ。
テレビがない生活か…初めてだな。
わかりました！と返事をするとカタクリさんは部屋の奥にあるらしいお風呂場へと歩いて行った。

よっこいしょとソファからズルリと身体を降ろす。
カタクリさんサイズのソファなので降りる事すら大変。
本棚…本棚…あ、あれか！
下ら辺の本しか届かないな。ま、いっか。
適当に1冊取り出してその場に座って読んでみる。

【うそつきノーランド】

絵本だ。
可愛い絵なのに、何だか寂しい話だな。
読み終えてパタンと本を閉じると後ろから声がした。

「懐かしいな。よく弟や妹に読み聞かせていたものだ」

読み聞かせ…カタクリさんが…読み聞かせ。
絶対に棒読みで字を読んでるだけだな。

「おい。馬鹿にした顔をするな」

『馬鹿にしてませんよ。カタクリさんでも弟さんや妹さんの面倒をみていたんだなぁと思って』

っていうかやっぱりこっちの世界でも上半身裸なのね…。

「当たり前だ。とは言うものの殆どペロス兄がその役割を担っていたがな」

ペロスお兄さんはカタクリさんと違う形の万能さのせいか苦労人体質なんでしょうね。
そういえば…１つの疑問が頭に浮かんだ。

『カタクリさんってこの大家族の次男なんですよね？』

「そうだ」

『…歳は…お幾つなので？』

「48だが」

なん…ですと？
この世界に来てからの1番の衝撃だった。