餅と同居33 ページ34
あっという間に作られた朝食。
『たまにはサボってこうして非日常を味わうのも良いですねぇ』
「俺が来てからは毎日が非日常だろう」
『あ、それもそうですね』
もぐもぐとサラダを頬張りつつ会話を進める。
『カタクリさん。あの…昨日の私の失態についてなのですが…あれはですね…そのー』
あそこまで号泣してカタクリさんに迷惑をかけてしまう事になるとは思わなかった。
恥ずかしさと罪悪感から言葉が詰まる。
「あれがお前の素直な反応だったのだろう？それを失態とするのはどうかと思うが？」
ぐっ…ぐぅの音も出ない。
『わかりました！認めます！認めますよ！！でも…私はお前じゃありませんっ！！』
照れ隠しに大きく声に出してフンッとすると…
「やっとAらしい返答が返ってきたな」
またあの目を細めた可愛い笑顔のカタクリさんになった。
もう…！！敵わない！ぜっったいこの人には敵わない！！
『今日はズル休みDAYとして遊びにでも行きましょうか。目の腫れはメイクで何とか誤魔化します』
「構わないが…どこへ行くんだ？」
『電車で1時間くらいの所に海があるんです』
「海…」
やっぱりカタクリさんは海賊なんですね。
海という単語を聞いただけで目に輝きが出ました。
『どうでしょう？』
「あぁ。行きたい」
『じゃあ今日はズル休みでレッツラシー！！』
「何だそれ…」
私のノリにフッと笑ってくれた。
長い時間電車に揺られる。
この寒い季節にわざわざ海に行く人なんて少ないせいか席はガラガラだった。
ちょっと会話をしては、喋る事をやめて。またちょっと会話をする。
私達は周りからどんな風に見られているのかな…。
『久々に海に来ましたー！！』
人のいない砂浜に駆け下りて叫ぶ。
カタクリさんは砂浜で海を眺めている。
『むぎゃ！海水つめたっ！！』
靴を脱いで足をちゃぷっと海に浸けると背筋まで痺れるように冷たくて驚く。
カタクリさんからの反応は…ない。
ずっと…姿勢を変える事なく海を眺めている。
あぁ…そっか。帰りたいんだ。
海水の冷たさに慣れてきたのでスカートを持ち上げ、ちゃぷちゃぷ水面を蹴って膝下くらいまで海水が浸かるまで進む。
「どこへ行く！？」
ぬぇ？
グイッと腕が引っ張られ、体勢が崩れる。
思いっきりカタクリさんに体当たりしたせいでカタクリさんもよろけてしまい、2人して海に殆ど浸かる羽目になる。
なんてこった…。
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三月兎(プロフ) - 天然水さん» こちらこそお読み頂けただけでなく嬉しいコメントまで頂き有難うございます！！本当に励みとなるばかりです(*´ω`*)！ (2021年2月10日 7時) (
レス) id: 5bf5ba8679 (このIDを非表示/違反報告)
天然水(プロフ) - ものすごく感動して涙が止まりませんでした、、泣素敵なお話を書いてくださり本当に有難う御座います！ (2021年2月10日 0時) (レス) id: 5091cdfe04 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - 月ノ猫様 コメント有難うございます！！コメントを頂けて嬉しい限りでございます(*´ω`*)！すぐ様訂正もさせて頂きました！ご指摘下さり有難う御座います！！ (2020年8月4日 21時) (レス) id: 97f08caf1f (このIDを非表示/違反報告)
月ノ猫(プロフ) - ほのぼのしてて読む度に和まさせて頂いています！ はじめてコメントを送っていきなりですみません……………同居20の最後の方での………カタクリのセリフの｢｣が、『』になっています。 (2020年8月4日 18時) (レス) id: 237c738632 (このIDを非表示/違反報告)
三月兎(プロフ) - 雪見もち様 コメント有難うございます！！恐れ多い限りの嬉しいコメを頂けて励みとなります(´；ω；｀)！これからも精進して参りますのでどうぞよろしくお願い致します！！ (2020年8月3日 16時) (レス) id: 97f08caf1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三月兎 | 作成日時：2020年7月27日 2時
